狼との遭遇 ページ7
この時は川崎の一人だけであった｡
言うほど珍しくはない。土日の袴田は事務所で仕事をしていて夜まで帰ってこないのだ｡(川崎には土日出勤させたくないので自分だけいく)そのため家にいても一人でつまらないからと、川崎はよくふらふらと街に出ることがある。
この日もそうである｡
数日前に二人で旅行に行った分の仕事を、今袴田は必死に片付けている真っ最中だ。
やることもなくふらふらと歩く｡
横を見るとカップルが手を繋ぎ楽しそうに歩いていた｡
自分達はもう割りきっていて人前で手を繋げたためしはなく(この前の海での事は別として)少しばかり羨ましいとも思ってしまった。
そしてそのまま誰かにぶつかってしまった｡
ボーッとしながら歩いていた川崎の落ち度だ｡
「あ、スミマセン」
「いえ、自分は大丈･･･」
「?」
相手･･･髪の長い全身黒のくたびれた男は固まっていて、それに川崎は頭を傾けた｡
「お兄さん鼻血、」
「え、わォぁァァァ」
○●○
「あの、何から何までスイマセン･･･」
「いえ、仕事のうちですので」
先ほどぶつかった場所から近くにあるカフェに二人はいた。
鼻血が止まり、落ち着くまで一緒にいてくれたのだ｡
「じゃ、自分はこれで」
ぶつかった男･･･相澤消太はそういいながら立ち上がった｡
川崎は慌てて手を繋ぎ止めた｡
相澤は随分と驚いた顔をしていて何です?と聞けばもう少し一緒にいませんかと返ってきた｡
川崎からしてみればただお礼をしたいという事なのだが取り方によっては少々別の意味に聞こえる｡
相澤から見てもコイツ･･･ナンパか?もしくは身売り･･･援助 交際とかか･･･?
等と、とらえていた｡ヒーローとして指導することになるかと思ったのだ。
しかし話をしているうちにその必要は無いことがわかった｡
川崎が26と知ったときはドライアイの相澤も思わず目を見開いた｡
･･･後に18に見えたと話していた｡
二人は意気投合し話しているとコンコンと窓が叩かれた｡
目を向ければ袴田だった。
事務所近くを見回っていたのである。
袴田の表情がいつもより見えない。
しかしどことなく雰囲気がピリピリしているような気がした｡
袴田が店内に入り川崎の手を引いた｡
(･･･痛い)
いつも彼が自分を触れる時と違う｡
「･･･イレイザーヘッド、部下がお世話になったようで」
「いえ」
相澤も何か把握したように川崎と目を会わせ、御愁傷様と呟いた｡
川崎は混乱して!?、!?と目を回していた｡
続きます｡
ラッキーカラー
あずきいろ
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留伊香 - 夏っぽいネタを書きたいところです･･･｡ (2018年7月22日 15時) (
レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
留伊香 - 狼との遭遇、ヒーローの愛情はリクエストからの作品になっております｡このようにリクエストいただいたものは優先して小説にしていきたいと思いますので｡何卒よろしくお願いします｡ (2018年7月9日 6時) (レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
共依存狂愛ヤンデレ現在進行型 - 留伊香さん» いえ、リクを書いてぐださってこちらこそありがとうございます！！私の予想の遥か上をいくイチャイチャ…//ご馳走さまでした！！(^▽^*) (2018年7月8日 23時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)
留伊香 - ぜひ使わせていただきます｡･･･というか使わせていただきました｡誠にありがとうございます｡ (2018年7月8日 14時) (レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
共依存狂愛ヤンデレ現在進行型 - 留伊香さん» ネタ…ですか？それでしたらリクいいでしょうか？相澤せんせーと偶然道で会って色々世間話をしていた所をベストジーニストが目撃=嫉妬する=仲直り=イチャイチャする……ていうのはどうでしょう？ (2018年7月7日 20時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：留伊香 | 作成日時：2018年6月13日 18時
