甘い休日2 ページ6
「袴田さーん」
「転ぶなよ」
砂浜に足を絡ませながら川崎は袴田を呼んだ。
袴田は恋人の少し後ろを歩きながら声をかけた｡
自分がベストジーニストということを周りの人間に気づかれないようにするためいつものように髪をバッチリ決めずに少々無造作にセットされている｡
口許は隠さず、白いTシャツにジーンズというファッションだ。
そして無邪気そうに笑う川崎の過去を思い出す。
こうやって親と、友達と海に来たこともなかったのだ｡
こうやってただただ笑うことすらも出来ない毎日だったのか｡
･･･あぁ、自分がもっと早くに彼に出会っていて助けてあげていれば川崎は･･･狼は敵にならずに笑っていられたのだろうか｡
海辺で笑う彼を見ながら思った｡
立ち尽くす袴田を不思議に思った川崎は声をかけながら近づく｡
その瞬間、
「ｳッ、 わ」
袴田は川崎を抱き締めた｡
周りにいた人たちもチラチラとだがこちらを見ていた｡
普段人前でこんなことはしない、出来ない｡
手を背中に回しながら目をキョトンとさせ表情の見えない恋人にどうしたの?と声をかけた｡
「や･･･、何でもない」
「ん」
未だに(だいぶ減ったが)偏見のあるこの関係のため、袴田が外で触れてくる事は稀である。
川崎は違和感を覚えた｡
{少々甘め}注意お願いします
「んッ」
ホテルに戻り潮のべたつきをシャワーで流しきったあといつの間にか盛り上がってきて今に至る｡
川崎は袴田に応えようとしながらも、今日は昼間から少しへんだったなと頭では冷静に考えていた。
「はかまださん」
「･･･?」
「好き」
袴田がどんな理由で悩んでいようとも、自分のこの一言でずいぶんと溶けてしまうという事は数年前から理解していた｡自分も同じだ｡
そして最初はある余裕もいつの間にかなくなっているのもいつもの事だ｡
生理的に出る涙を袴田に舌で拭われ夜は更けていった｡
・
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
留伊香 - 夏っぽいネタを書きたいところです･･･｡ (2018年7月22日 15時) (
レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
留伊香 - 狼との遭遇、ヒーローの愛情はリクエストからの作品になっております｡このようにリクエストいただいたものは優先して小説にしていきたいと思いますので｡何卒よろしくお願いします｡ (2018年7月9日 6時) (レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
共依存狂愛ヤンデレ現在進行型 - 留伊香さん» いえ、リクを書いてぐださってこちらこそありがとうございます！！私の予想の遥か上をいくイチャイチャ…//ご馳走さまでした！！(^▽^*) (2018年7月8日 23時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)
留伊香 - ぜひ使わせていただきます｡･･･というか使わせていただきました｡誠にありがとうございます｡ (2018年7月8日 14時) (レス) id: 4f48e51d3a (このIDを非表示/違反報告)
共依存狂愛ヤンデレ現在進行型 - 留伊香さん» ネタ…ですか？それでしたらリクいいでしょうか？相澤せんせーと偶然道で会って色々世間話をしていた所をベストジーニストが目撃=嫉妬する=仲直り=イチャイチャする……ていうのはどうでしょう？ (2018年7月7日 20時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：留伊香 | 作成日時：2018年6月13日 18時
