【2j3j】脱陰キャ計画...？【愛され】

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桜 side

私は人からの好意が苦手だ。

可愛いと言ってくる人間も、好きだと言ってくる人間も、ましてや愛を囁く人間も

それらは本心ではなく所謂お世辞人間である可能性が高い。

それを知らない幼い私は、その言葉全てを純粋に受け取ってしまった。

そのせいで私は小学校生活の6年間を台無しにした。

『は？なにマジになってんのw』『稀(まれ)ちゃんって気持ち悪い』
『あんなの嘘に決まってるじゃんw』『冗談が通じないよねぇw』

幼稚園の頃は親には勿論、同じ組の子や、送迎バスで隣になる子からも好かれ、

私は好かれ、愛される人間なのだと錯覚していた。

そんな私にとってあんな言葉たちは刃以外の何物でも無かった。

私のアイデンティティは粉々に砕かれ

一気に天国から地獄に落ちた気分だった。

けれどそのことを親に言えるほどの根性も無く、

毎日揶揄われて、毎日心無い言葉を浴びせられ、過去の自分を只管に恨む6年間を送った。

中学生になったら絶対に同じ過ちは繰り返さず

人と適切な肉体的距離、マインドにおける距離を取ろうとした。

そうして、なんとか作ることができた友達と一緒にいることであることに気がついた。

私には『なにも無い』のだ。

周りの子達は他校の人脈があったり、スポーツができたり、

家がお金持ちだったり、勉強ができたり、トークが面白かった。

小学生という、人格形成に大きく影響を及ぼす期間において

人からの好意に全神経を使ってなるべく目立たないように

個性を意図して消すようにしてきた私には無い物たちだった。

他の人が持っていて自分が持っていないということはとても怖い。

だから私はまず、人の模倣を始めた。

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