66 ページ20
kne side
Aと沙友理が待機場所に移動した途端僕と葛葉の間に割り込んできた、
3年生の先輩にうざいほど体を寄せられて不快に思いながらも
それを表に出すわけにはいかないので、愛想笑いを浮かべながら競技が始まるのを待つ。
2人の先輩の内、1人は葛葉狙いっぽかったけど、葛葉があまりにも対応しないから僕に話しかけてくる。
葛葉が必要以上に女子と話さないのを知っているはずなのにその愚痴を僕に言われても
あっそう。で終わるんだけど...
葛葉も中1のときは女子でも話しかけられたら猫を被りつつ話していた。
けど、猫を被っている葛葉を気に入らなかった子が葛葉が猫を被らずに話せる子に男女関係なく
喧嘩を売りに行ったことで葛葉は必要以上に女子と話さなくなった。
だから対応しないことが葛葉の優しさなんだよって伝えても
そんな苦痛な時間を10分程過ごし、やっと選手の入場が始まった。
今回の棒引きでは沙友理とAは違うチームだから
どっちを見るか悩むな、なんて思いながら2人を探すように視線を彷徨わせていたら
てっきり緊張でガチガチになっていると思っていたAが
しっかり棒を見定めていて少しびっくりした。
けど、そんなAとは対象的に沙友理は俯いていて、
僕の角度からじゃ前髪と横髪が邪魔で顔が見れなかった。
戻ってきたら 聞いてみるか。どうやって聞こうか。なんて考えを巡らせていたら
いつの間にかスタートの合図が出ていて、
その時には沙友理の表情はチームを引っ張るリーダーの顔をしていた。
ただ単にAじゃなくて沙友理が緊張してたのかな、と自分の中で結論付け、
Aは競技が始まった途端緊張しているとかはないだろうか、と
視線を巡らせながらAを探していたら
突如、初めて名前を呼び捨てで呼ばれた昼休みの時に感じた感情に似た、
けれどもそれ以上の嬉しさに似たなにかと痛みが伴う感情が僕を襲った。
グラウンドの端から端まで見るために速く動いていた僕の視界に
いきなり急ブレーキがかかり、Aがいる場所へと僕の視線は動いた。
さっきまで不快に思っていた先輩のこともどうでも良くなるような..
そんな感情。
でも、僕はその感情に名前を付けることはできない。
だって
僕の唯一無二の相棒。
僕の初恋の人。
僕の相棒の初恋の人。
それはあまりにも残酷だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこかとおもった(プロフ) - 雪見大福さん» 返信が遅れてしまいすみません!!コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!!親友ちゃんの心境や状況を表現するのに手こずっていてなかなか更新の目処が立たないのですが近々更新できたらと思っています!お待たせしてしまいすみません。 (4月21日 3時) (
レス) id: 27b4083420 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 親友ちゃん！？何があった…。女子って気に入らない人が居れば外堀からハブにしてくるから怖いですよね…これからも無理せず頑張ってください！更新お待ちしてます (3月30日 3時) (レス) @page32 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねこかとおもった | 作成日時：2023年11月25日 1時
