【刀剣乱舞】ブラック本丸通知とやらが来ました。 (ページ4)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:683 hit

４：非情な勧告ページ4

その後のことは、覚えていない。
刀解するのは、襲撃をなくすためとか、手間を省くためとか、一週間後に政府が来るとか。
とにかくAは、こんのすけの言葉を聞こうとする気すらなかった。
ただ、胸をえぐられ、空っぽになって、外へ追い出された。
気が付けば、今度は絶望が胸を埋め尽くしていた。

面談が終わり、部屋から出って行った後、

薬研「大将…。」
A「薬研。もしかして、聞いてた？」
薬研の後ろには、今にも泣きそうな秋田もいた。どうやら、内番から戻ってきたようだった。
薬研「すまねえ、つい聞いてしまった。」
A「こちらこそ。こんなことになるとは、思わなかった…。」
秋田「僕たち、離れ離れになるんですよね？」
A「それ以上、苦しいかもしれない。」

Aは、刀解があるとは言いたくない。みんなまで、つらい思いをしてほしくない。

薬研「大将、俺っちは、本丸から出てほしくない。」
秋田「僕もです！！取り消せないんですか！？」

どうやら、既にわかっていたようだ。
それ以上にもここにいてほしい、という言葉がじんわりとAに広がる。
次第に目の視界がぼやけてきた。昼間に泣いたばかりなのに。

薬研「大将！？」
A「ごめん…。嬉しいの。そう思ってくれることが。すごくね、嬉しいの。私もね、みんなと居たいよ…！！」

Aもう、我慢できずに小さい子(しかし、百歳越えだが)を前に泣き崩れる。
恥ずかしいが、秋田が背中をさすってくれた。薬研も心配してくれた。

Aの周りはもう許してくれている。ただ、そのタイミングが遅かっただけ。
加州から聞く限り、みんなは、Aが自分たちに接するのが苦手なのも知っていたらしい。
ほんの少しの入れ違いだったのだ。
なのに、その入れ違いだった分の代償は大きい。
しかも、最悪な結果の方に。

夕焼けも、いつの日か聞いたようにひぐらしと一緒にAの悲愴を奏でているようだった。