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ジャニーさんとこれからのことを色々話して電話を切ったあと、何だか自分がふわふわしているのを感じた。

もしかしたらなんの取り柄もない平凡な私が、テレビの中にいるキラキラした芸能人になれるのかもしれない。


当時の私は芸能界をそんな風に甘く考えていた。



その日の夜。
仕事が終わって帰ってきた両親に、電話がかかってきたことを話した。


駄目もとで送った履歴書で、まさか自分の娘が合格するなど夢にも思って無かったのだろう。

お母さんはとても喜んでいた。

一方、お父さんは

「騙されているんじゃないのか?」

と不安になっていた。

でも、そんなことを言っていたのは最初のうちだけで1週間も経てば、

「Aが後悔しないように好きなようにすれば良いさ」

と肯定的な意見をくれた。


2人からそう言われたものの、自分の中でまだ迷いがあった。


こんな何の取り柄もない奴が踏み入れて良い世界なの…?

事務所に入所してもどうやって生活するのだろう。1人暮らし?家事が出来ないから無理だ。

学校はどうするんだろう?転校?
友達ともお別れしちゃうの?それは絶対嫌だ。



頭の中でずっとグルグル回っている。

こんな大きなことを私1人で全部解決して答えを出すなんて、無理だ。

何でこんなことになったんだろう。

私は、楽しく生きていければそれで良かったのに。


勝手に履歴書を送ったお母さんを、恨めしく思えた。

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作者名:ひよこ豆子 | 作成日時:2021年4月2日 9時

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