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「おわ、まじだ…!10分前行動とか初めてかも」
今日は勉強をしに来た。
世一くんは二年、私は一年で、学年は違うけど、もうちょっとでテストってことで勉強会を開くことにした。
互いの家は都合が悪かったから、近くの図書館で。
図書館には、ちらほら人がいる程度で、ほとんどがら空きだった。
「じゃあ、始めるか」
「うん」
何か喋りながらするわけでもなく、ふたりとも集中して各自の勉強に取り組む。
たまに頭をかいたり、唸っている世一くんに笑って、私も苦手なところを復習していた。
数十分くらい経った頃、世一くんが手を止めた。
「なあ、Aって頭いいよな?」
「え?あぁ、まあ悪くはないかな…?」
「だよなあ……彼女より頭悪い彼氏ってやばい…?」
世一くんは頭を抱えて、顔を青くする。
「そんなことないよ。頭が良い悪いが基準じゃないしね」
私も手を止めて、世一くんの方に顔を向ける。すると、世一くんは頬を膨らませて、拗ねた子供のようになった。
「そうだけど……やっぱ、彼女よりデキる彼氏でいたいじゃん」
つい、笑ってしまう。それに世一くんが声を上げたから、図書館員さんに注意されてしまった。
謝ってから、声を落として、また喋りだす。
「Aが同い年だったら、教えてもらえてたのになあ」
「教えてもらうのはいいんだ?」
「あっ、うーん……」
おちょくるようにつつくと、真剣な顔をして考え込んでいる。それが可愛くて、また笑みがこぼれた。
私は、私よりデキてなくても、世一くんならなんでも好きなんだけどな。
もちろん、そんなことは言えないから、黙っておく。
「私も、世一くんと同い年だったら良かったな。そしたら、色々話せるし、テストの点数とか見れるしね」
最後にからかうと、世一くんはふりで怒って、「そうだなあ」とこぼした。
10.巡り合せ ページ20
10.巡り合せ
「あ、もう来てたんだ。早いな」
俺が遅いのかなって笑いながら、私の隣の席に座る。
私も笑って、時計に視線を送る。
「いや、ふたりとも早いよ。まだ10分あるよ」
「おわ、まじだ…!10分前行動とか初めてかも」
今日は勉強をしに来た。
世一くんは二年、私は一年で、学年は違うけど、もうちょっとでテストってことで勉強会を開くことにした。
互いの家は都合が悪かったから、近くの図書館で。
図書館には、ちらほら人がいる程度で、ほとんどがら空きだった。
「じゃあ、始めるか」
「うん」
何か喋りながらするわけでもなく、ふたりとも集中して各自の勉強に取り組む。
たまに頭をかいたり、唸っている世一くんに笑って、私も苦手なところを復習していた。
数十分くらい経った頃、世一くんが手を止めた。
「なあ、Aって頭いいよな?」
「え?あぁ、まあ悪くはないかな…?」
「だよなあ……彼女より頭悪い彼氏ってやばい…?」
世一くんは頭を抱えて、顔を青くする。
「そんなことないよ。頭が良い悪いが基準じゃないしね」
私も手を止めて、世一くんの方に顔を向ける。すると、世一くんは頬を膨らませて、拗ねた子供のようになった。
「そうだけど……やっぱ、彼女よりデキる彼氏でいたいじゃん」
つい、笑ってしまう。それに世一くんが声を上げたから、図書館員さんに注意されてしまった。
謝ってから、声を落として、また喋りだす。
「Aが同い年だったら、教えてもらえてたのになあ」
「教えてもらうのはいいんだ?」
「あっ、うーん……」
おちょくるようにつつくと、真剣な顔をして考え込んでいる。それが可愛くて、また笑みがこぼれた。
私は、私よりデキてなくても、世一くんならなんでも好きなんだけどな。
もちろん、そんなことは言えないから、黙っておく。
「私も、世一くんと同い年だったら良かったな。そしたら、色々話せるし、テストの点数とか見れるしね」
最後にからかうと、世一くんはふりで怒って、「そうだなあ」とこぼした。
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ひよいち福(プロフ) - 桜 花芽根さん» わ、コメントありがとうございます!!そのギャップいいですよね~! (2023年1月8日 10時) (レス) id: a715ec8b04 (このIDを非表示/違反報告)
桜 花芽根 - 世一くんカッコいいし、可愛い…! (2023年1月7日 23時) (レス) @page9 id: 6a7e843e24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよいち福 | 作成日時:2022年12月24日 20時