忍耐力は人並み以上

忍耐５ ページ7

「...これは...」

うちの目の前に広がる光景は、きっと死ぬまで忘れられん...

目を包帯で巻いた方、腹が真っ赤に染まっとる方、酷い方は体の一部がありまへん...

そんな方がぎょーさん。
ここが、ブラック本丸どすか...

「ほう...今回はおなごか...」

そんな中、うちに声をかけてくださった方が。

青い沙綾形模様が施された服を血で汚されとる美しい方。

うちはその場に座り、深々と頭を下げました。

「初めまして、ここの審神者を任されたAどす。
見ての通り、うちは舞妓...審神者なんてやったことありまへん。
ふつつかものどすが、どうぞよろしゅう...」

チャキッ

...なんでここの方々はすぐに刀を向けるんやろな？

「今すぐ帰れ、そうしたら殺さぬ」

「そうしたいのは山々どすがな...後ろの方にも言いましたがうちは帰る場所が無くなってしもたんどす」

嘘やありまへん。うちはもう育った置屋には帰れんどす。

二度となぁ...

「...なら、本当の場所へと還してやろう」

そう言うと、綺麗なお方は刀を振り下ろしました。

これで終わりとは、なんてあっけないんやろう。

うちは目を閉じ刀が首を落とすその時を待ちました。

ここで怯えてはいけまへん...怯えては舞妓失格やからな。

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