♡ ページ6
⭐︎
「なっ、なぁ！自分、この後はなんか、他に、用事あるん？」
自分でも笑ってしまうぐらい肩に触れた手も、呼びかける声も震えているのがわかる。そんな俺を見た希月は初対面でこんなに気持ち悪い態度をとる俺に不快な顔をすることもなく、肩に触れている手に自分の手を重ねて首を横に振った。
「僕、このあと着替えて帰るだけだよ？どうしたの？」
「ほら…こ、更衣室！わからんかなーって。俺、小瀧望って言うねん。悠介さんもこのあと仕事あるかなと思って。俺が案内したるよ。」
あと鍵閉めも一緒に。そういうと肩の力をふっと抜いた悠介さんが俺に鍵を手渡してくれた。
「小瀧ありがとうな、俺今から打ち合わせがあってもう行かなきゃいけないんだ。鍵の返し場所、いつもの所にお願いできるか？」
わかりました！といつもよりデカい声で返事をした俺に対して、今日は一段と元気やな〜と笑いながら退出する悠介さんをみて俺は口元の笑みを抑えきれなかった。
「えと、さ、希月、やっけ？下の名前はなんて言うん？」
「僕、希月Aって言うの。望くんって呼んでもいい？」
「いっ、いい！全然ええよ！俺もAって呼ぶな！」
「うん！A、名前で呼ばれたい！あのね、今日の望くんすっごくカッコよかったから話しかけて貰えて嬉しい！望くんばっかり見ちゃった！」
花開く笑顔ってこういうことなんだな、と初めて思った。
ほっぺをりんごの様に真っ赤にして微笑むAは女の子みたいで、俺の手汗を気にする事なく、小さな両手でぎゅっと握りしめてキラキラの目を合わせてくれるこの状況、どう考えてもこの天使を好きにならない方が可笑しいやろ。
好き、好き、好き。
希月を視界に入れるたびに愛おしさと庇護欲が溢れ出る。
「これから…これからも俺だけ見てればええから、なんかあったら絶対に俺のこと呼ぶんやで！いいな！」
ビビッときた一目惚れ。絶対に離さないと心に強く誓った。
⭐︎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
帳(プロフ) - asa258さん» こんにちは。こちらこそありがとうございます…！自分の書きたい設定を一つの作品に詰め込んでしまい、別々の作品に分けて作ればと少し後悔しておりましたが、その様なお言葉を頂けて嬉しいです。遅筆ですが今後もこの作品にお付き合いくださいませ。 (4月18日 20時) (
レス) id: 5bb6fcd9aa (このIDを非表示/違反報告)
asa258(プロフ) - 更新ありがとうございます。西の7人さんも娘。の384さんも大好きなので、このお話に出会えて嬉しいです。男主さんもかわいいだけじゃない強かさがあって読んでいてとてもわくわくします。これからも読ませていただけると幸いです。 (4月17日 19時) (レス) id: 576d67210c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：帳 | 作成日時：2023年8月19日 0時
