帰省して、再開 ページ22
部内でのお盆休みがやってきた。一週間くらいだが。それぞれ、この期間で祖父母に会いに行くもよし、ゴロゴロするもよし、バレーに明け暮れるもよしで休み前日まで休み中も予定のことで賑わっていた。私は勿論、幼なじみの家にお邪魔する。
「おかえりなさい、Aちゃん。大人っぽくなったねぇ」
玄関が開いた先はおばさんが出迎えてくれた。おおらかで優しくて、きれいな人だ。荷物を持って玄関をくぐると、懐かしい匂いがする。幼馴染の家の匂い。
「A!おかえり!今ゲームしてるからAもしよーぜ!」
「うん。けど、荷物置くまで待って」
「了解。俺も手伝うから早くしようぜ!」
私のトランクケースをヒョイっと持ち上げ、奏多は弾んだ足取りで二階で上がった。私も残りのちょっとした物を持ち、追いかけた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ピーンポーン、チャイムが鳴った。おばさんは買い物に出掛けて、奏多はまだまだ寝ている。つまり、出れるのは私しかいない。
「はーい」
インターホンからは背が高いのだろうか、胸元に抱えてある野菜しか見えなかった。『奏多の友人ですけど、野菜のお裾分けです。今出てこれますか?』と、低めの声が聞こえた。
ガチャリ、扉を開ける。暑い空気がムワッと押し寄せ、夏なんだなと頭の片隅で思った。さっきまでは野菜しか見えなかった人に目を向ける。
「は?」
「え、桜咲?」
赤葦君が立っていた。んんんん?
「何でここに…いや、会えて嬉しいよ」
「私は嬉しくない……」
取り敢えず野菜を受け取って逃げよう。人間は驚きすぎると考えることが出来なくなるのかもしれない。さっき出た言葉は多分反射。
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きなこもち - コメントありがとうございます!嬉しいです。 (2020年11月30日 21時) (レス) id: 95f5385eac (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - とても面白いです!一気に読んでしまいました…!陰ながら応援しています(*゚∀゚*) (2020年11月30日 19時) (レス) id: 47378f0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2020年8月23日 14時