圧の強い国見くん ページ3
いっけなーい！殺意殺意☆
私、肝試しと暗い所が苦手な普通の高校２年生！
今夜、肝試しをする事になってもー大変！
ペアくじの結果、国見くんと周ることになちゃった！
正直、かぶった猫が剥がれそう！
松川パイセンに無言の圧、考案者には藁人形を送っとくね☆
もうすぐ私の番だ！一体どーなっちゃうのーーーー！？
「先輩、行きますよ」
「…うん」
校内にあるポイントを辿り、札にスタンプを集めて屋上にその札を貼って終了らしい。札は後日回収。これを聞くと雰囲気が台無しなので忘れてくれとのこと。
「ごめん。守れそうにない。俺の気持ちだけ受け取っといて」
「そんな心細いわ…！」
「許してくれ…ハニー」
「ダーリもがっ」
「行きますよ」
「はい」
松川パイセンとの会話を打ち切り、圧の強い国見くんに促されて私は校内に足を進めた。暗い校内をライトで照らす。一つ目のポイントは保険室にあるらしい。配られたプリントに書いてあった。
躊躇なく入る国見くん。心臓が鉄なのだろうか。
「こういうの平気なタイプ？」
「ある程度は」
サクッとスタンプを押し、次へ向かう。もしかして、国見くんで当たりなのかもしれない。物音がしても眉毛一つ動かさなかったで…私は？聞かないでほしい。
「松川さんと仲良かったんですね」
「……え、まぁ悪いと言えば嘘になるね」
途中、国見くんが喋りかけてきた。とうの私は周りを警戒しすぎて会話がワンテンポ遅れたが。
「いつの間にそんな仲良くなったんですか？」
「成り行きかな？」
そうとしか言えない。あのパイセン躊躇なくパシるが、ジュースを奢るのも躊躇なくしてくれる。気遣いも素晴らしいので何故彼女が出来ないのか。自由研究課題に出来そう。
「それがどしたの？」
「なんでもないです…それより、昔の影山ってどんな感じだったんですか？」
そういえば、国見くんは飛雄と同じ中学校か。(飛雄が教えてくれた)私は飛雄が中学校に入る前位しか知らないが…聞きたいのはそこなんだろう。
「そーだね。負けず嫌いでバレーが好きな感じだったよ」
「今と変わってないですね」
「それと、すっごい可愛いかった！今はカッコいい感じだけどね」
「影山がかわいい…？」
「うん」
スペースを背負ってしまったようだ。眼孔が開いている。
「あっついねー」
パタパタと胸元を仰ぐ。
「カーディガン脱がないんですか？」
「…うん。これは特別だからね」
薄手のカーディガンは私を守る特別な物なのだ。
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きなこもち - コメントありがとうございます！嬉しいです。 (2020年11月30日 21時) (
レス) id: 95f5385eac (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - とても面白いです！一気に読んでしまいました…！陰ながら応援しています(*ﾟ∀ﾟ*) (2020年11月30日 19時) (レス) id: 47378f0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年8月23日 14時
