嘘は優しさで塗り固められている ページ19
「ん、あれ、寝てた」
「起きたか。おはよう」
「おはよー」
目が覚めると溝口君の隣にいた。溝口君のジャージを被り、みーくんの隣にいる。…何が起こったんだ…？頭もガンガンする。
「ねぇ、何で私ここにいるの…？」
「…覚えてないか？」
気まずそうに目を逸らしながら溝口君は問う。え、マジでなんかあったの。寝起きでぼんやりした頭で寝落ちる前の記憶を引っ張り出す。
「……………あ」
「……うん。ごめん」
「あー、あーーーあーあーあー。うん、うん…」
「…ごめん」
Aは思い出した。自分が酒に酔い、後輩にメイド服の良さを説いたことを。思わず、後輩の姿を探す。しかし、コンタクトの無い自分の目では見つける事は叶わなかった。アーメン。
「…これからどんな顔して部活に来ればいいの…」
「…マジでごめん」
「…いいよ。間違えたのは仕方ないし。今それどころじゃないし…」
頭もガンガンするし(2回目)。これが二日酔なのか…？
「てか、何で私溝口君のジャージ被ってるの？」
寒い訳ではないし、人のジャージを奪い取るほどジャイアン気質な訳でもない。しかも、着ているわけでもなく被っている。チラリ、少しの記憶が頭を通り過ぎる。
「あれ、私、何かに怯えてなかった？」
「違う、怯えてない。お前が急に寝るから俺が貸しただけだ」
強い否定がされる。そう言われればそんな気がしてくる。優しいからな、溝口君は。
「そろそろ着くから降りれる準備しろよ」
「はーい」
空は暗い色で覆われていた。長旅をした気分だ。半分以上寝ていたはずなのに、酷く疲れた。今日は早く帰って寝よう。そして、全てを忘れてしまおう。バス内のあれやそれ。
溝口君は大量のバレー部員に囲まれ、大変そうだったまる
優しいから傍にいてくれる。優しいから世話を焼いてくれる。→←酔っ払いの夢と幻覚
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きなこもち - コメントありがとうございます！嬉しいです。 (2020年11月30日 21時) (
レス) id: 95f5385eac (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - とても面白いです！一気に読んでしまいました…！陰ながら応援しています(*ﾟ∀ﾟ*) (2020年11月30日 19時) (レス) id: 47378f0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年8月23日 14時
