分かりきった答え ページ12
ジュワーーーーと、肉の焼ける音がする。昨日、私と赤葦くんが冷蔵庫に押し込んだ肉や野菜は金網の上で踊っている。白米と肉のハーモニーといったら…美味しすぎて笑ってしまう。
「くふふ、くふふふふ」
「ご機嫌だね」
「うおっ」
女子らしからぬ声が出てしまった。急に声をかけないでいただきたい。
「…赤葦君」
「お米、好きだったよね」
「誰から聞いた？」
「奏多」
あの野郎。私の知らない所で私のことを話してんじゃねぇ。あと赤葦君、私より可愛い米の言い方しないでほしい。
「好きだよ」
「…‥‥今言う？」
「忘れてるのかと思って」
「え、いや」
「えええーーーーーー！？赤葦ーー！今告白しなかったかーー！？」
声デカ。梟谷のキャプテン。プライバシーも何もあったもんじゃない。全体に響き渡ったぞ。え？？？
「そうですから邪魔しないで下さい」
「えーーーー！？そこは照れる所じゃないのか？」
「うるさいです」
くっつくキャプテンを引き剥がす赤葦君。何で君、そんなに落ち着いてんの？周りが見えないのか？？？めっちゃ注目されてるよ？？え、鉄なの？心臓？？
「モテ期でも来たの？」
「きてないのでこの場を収めて下さい。お願いします松川さん」
「ちょっと大変かな」
大変じゃなくてして下さいよぉ。赤葦君。人がせっかく幻覚と思っていたというのに。最低だとは思うが、有耶無耶にして宮城に帰ろうとしていたというのに。君って奴は！？
「あの日からずっと好きです。俺と付き合って下さい」
「え、この状況で続けるの？？」
「あの日、微笑んだ瞬間恋に落ちました」
「詳しく言わなくていいよ！」
ワイワイガヤガヤ。見世物じゃねんだよボゲェ。誰かこの地獄みたいな状況から救ってください。
「Aちゃん。塩おにぎりあったぞ」
「と、飛雄！」
いい意味で空気の読めない飛雄！ヨッ救世主！大好き！
「何やってんだよ影山！？邪魔しちゃダメだろ！」
「？？？？」
「今赤葦さんが告白してんだから」
「告白？」
きょとんとした顔でこちらを見る飛雄。気づいてなかったんかい！
トン、飛雄が私の肩をたたく。
「良かったじゃねーか」
「は？？？」
「昔から嫁の貰い手を探してただろ？」
こいつは救世主ではない。事態に油を注ぐ人間だ。
「好きです」
「だから何故今ここで言う？」
「伝わるまで何回だって言うよ。後悔はしたくないからね」
仕方がない。返事は簡潔に、だ。覚悟を決めろA。
「ご、ごめんなさい」
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きなこもち - コメントありがとうございます！嬉しいです。 (2020年11月30日 21時) (
レス) id: 95f5385eac (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - とても面白いです！一気に読んでしまいました…！陰ながら応援しています(*ﾟ∀ﾟ*) (2020年11月30日 19時) (レス) id: 47378f0ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年8月23日 14時
