真冬の人魚姫。((Ren.M))

○05 ページ5

・











『蓮ーっ！！！』











｢っ、！｣











遠くから別の人間の声がして
慌てて私は海に戻った。



待って、って声が聞こえたけど
振り返ることはできなかった。












康二｢っ、！A様っ！！！｣











ひたすらお城まで泳いでると
前の方から康二と涼太が迎えに来てくれて。



きっと心配してくれてたんだろうね。
目を真っ赤にした康二に抱きしめられた。











康二｢こんな荒れとる時に勝手にお城飛び出して！！
ほんまに心配したんやで！？

………もう、無事でよかったわ。ほんまに、｣










｢……ごめんね、康二。涼太も。

………迎えに来てくれて、ありがとう｣










康二｢………帰んで、｣











まだ胸がバクバクしてる。
あの人の顔が忘れられない。











涼太｢ふふっ、康二寝ちゃったね(笑)｣










｢自分の部屋で寝たらいいのに、｣










涼太｢………姫、何かあった？｣











｢………人間をね、助けたの。｣










涼太｢うん、｣










きっと涼太には隠せない。


康二にもすぐにバレちゃうんだろうけど。










｢その人のことがね、忘れられないんだ。

人間界は怖いとこだって今日実感したのに、
もう1度あの人に会いたいって思ってる。｣










涼太｢……そっか。
でもね、姫。
人間がみんな悪い人だなんてことはないんだよ。

きっと姫は、その人に恋をしたんだね｣




・




よろしければお星様の1番右をポチッとして下さると嬉しいです！

○06→←○04

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す