甘くて、苦い。((Genta.M)) (ページ41)

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少しずつ、雨が強くなってきて。

元太｢なんだ、やっぱ2人って付き合ってたんだ｣

｢ちがっ、｣

元太｢隠さなくてもいいって！(笑)
付き合ってないなら、わざわざ迎えに来たりしないっしょ｣

｢これには理由が、｣

冷たい雨が、身体も心も濡らしてく。

風邪引いちゃうとか、そんなの今はどうでもよくて。
でも急に、雨が当たらなくなった。

宮近｢風邪引く｣

｢海斗、｣

元太｢ほら。相合傘してるし、(笑)｣

目の前の元太くんは、笑ってた。

笑ってるのに、悲しそうで。

元太｢2人付き合ってるの知らなくてさ。
ごめんね！色々誘ったりとかして。

ちゃかも。相談とかして、ごめん。………じゃ、｣

｢元太くん待って！｣

どんどん小さくなっていく背中を追いかけることはできなくて。

避け始めたのは私なのに
元太くんの方が辛いはずなのに。

宮近｢帰ろ、A｣

｢1人で帰る。｣

宮近｢だめ。傘ないんでしょ｣

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