甘くて、苦い。((Genta.M)) (ページ35)

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『やっと元太から離れてくれたんだ』

｢え？｣

元太くんを避け始めて、1ヶ月が経とうとしてた。

席は近くだし、挨拶とかはするけど
前みたいにお昼ご飯一緒に食べたり、一緒に帰ったりはしなくなって。

『ほんっと目障りだったんだよね』

学校からちょっと出たところでよく元太くんに話しかけてる女の子たちに囲まれた。

今日は元太くん部活だし、
まつくも如恵留先生に掴まってたからきっとバレることはない。

『2年生になってからさ、部活休みの日も遊んでくれなくなったし』

『話しかけようとしてもあんたがいつもいるし』

『つり合ってないって、やっと分かった？』

あの練習試合の日から、こういう言葉がたくさん聞こえてくるようになった。

きっと今までは気にしないようにしてたから聞こえてなかったけど、
1回気にしてしまうと、どんどん聞こえてきて。

悪いこと、1つもしてないのに。

それだけ元太くんは
私が好きになっていいような人じゃないんだ、って。

何か言われる度に、そう思ってた。

『何か言いなよ！！！』

髪の毛引っ張られて、叩かれて。

身体も、心ももうボロボロで。

『………何やってんの』

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