甘くて、苦い。((Genta.M)) (ページ27)

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｢っ、元太くん｣

名前を呼ばれてそっちを向くと、
ユニフォーム姿のかっこいい元太くん。

元太｢なーに下向いてんの？(笑)｣

｢あ、ごめん｣

元太｢ふはっ、謝んなくていいけどさ(笑)｣

周りの子たちもざわざわしてて。

視線が痛いけど、
それよりも目の前の元太くんがかっこいい。

元太｢俺、頑張るね｣

｢うん、応援してるね｣

元太｢うん、ありがとう。
俺、頑張る。頑張るからさ｣

いつもより真剣な顔の元太くんに
胸がどきどきうるさくて。

真っ直ぐ見つめてくれるから、私もしっかり元太くんを見る。

元太｢だからAも、俺以外見んなよ｣

｢っ、！｣

元太くんの言葉に
こくっ、って頭を縦に1回振ることしかできなくて。

そんな私を見て、満面の笑みを浮かべた元太くん。

元太｢じゃ、行ってくる！｣

｢っ、……がっ、頑張って！｣

走り出した元太くんの背中にやっと声をかけることができて。

そんな私の言葉に、振り返って頷いてくれた元太くん。

どうしよう。
苦しいくらいに元太くんのことが好きだ。

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