せんせい。 ((すの))

＊ ページ5

・







辰哉｢ねぇ、A｣







｢はいっ、｣







キスされて、上手く返事ができない私を見て







辰哉｢ほんとかあいっ、(笑)｣







なんて。
先生は、どこまでもずるい人。







辰哉｢俺がAだけを下の名前で呼ぶ理由は、
Aと同じ気持ちだからだよ｣







真っ直ぐ私の目を見て、伝えてくれる先生。



どきどきしすぎて、
もう倒れちゃいそうなくらい。







辰哉｢でもさ、
まだハッキリとは言えないの｣







何でか分かる？

って。







｢教師と、生徒だから？｣







辰哉｢せーかい。
だからさ、もうちょっと我慢できる？｣







｢え？｣







辰哉｢A今、3年生っしょ？｣







｢ん、｣







辰哉｢Aが卒業したら、
ちゃんと俺の気持ち伝えるから。待てる？｣







｢………待てます。｣







ん、いい子。

って、頭をぽんぽんしてくれる。







｢先生、好きです｣







辰哉｢っ、！
……だから、待ってって言ったでしょ｣







｢へへっ、言いたくなっちゃって｣







辰哉｢まじずるいわ、｣







そう言って笑った先生の方が、
かっこよすぎてやっぱりずるいよ。







辰哉｢………他の人、好きになっちゃダメだかんね？｣




・



しゃかいのせんせ。 END




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