そつぎょう。 ((じゃんぷ))

＊ ページ3

・






それから卒業まで、






慧｢Aー！
……今日、勉強見てあげる！｣






｢……あ、ほんとですか？｣






慧｢うん！｣






真面目に、先生と生徒として。


周りからみたら、
おかしいと思う距離感なのかもしれないけど。



受験生の私に、
伊野尾先生が暇な時は勉強教えてくれたり。





……でも、会いすぎてたのかな。






宏太｢Aー。
ちょっといい？｣






｢え？｣






宏太｢……あのさ、
最近伊野尾と仲良いよな？｣







｢……はい、｣






頭がグラグラした。
気持ちが通じた日は、最悪のことを想像できてたのに。

幸せすぎて、楽しすぎて。
大丈夫、なんて安心しきってた。






宏太｢俺以外の人はまだ気付いてない。
……でも、もうちょっと考えた方がいい。｣






Aだけじゃなくて、
伊野尾のためにも。ね？



分かってる。
もうベタベタしない方がいいんだよね。





・

・





慧｢おっ、きたきた〜｣






｢……｣






慧｢どした？
……勉強、しないの？｣






ほんとにね、ただ勉強教えてもらってただけなんだよ。

でもやっぱり、まわりの人から見れば
私と伊野尾先生の関係は近すぎた。







｢……先生、卒業までって言ったけど
私が大学卒業するまで待っててもらえますか？｣







慧｢え？｣







一瞬ビックリして
目をまん丸にした伊野尾先生だったけど


すぐもとの伊野尾先生に戻って







慧｢……ん。
分かった。待ってるよ、｣






ごめんね？
って、笑ったんだ。






・

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す