まいぶらざー。 53 ページ8
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でも結局ハッキリと断れなくて。
「お兄ちゃん、あの」
大貴「ん?あ、わりぃ。
ちょっとすぐいのちゃんのとこ行かなきゃなんだわ、」
「え?…あ、うん。」
何回も言おうとした。
断ろうとしたんだ。…でも、タイミングがなかった。
ううん。
ハッキリ断ろうと思ってれば、いつでも断れたよね。
でも、断れなかったっていうことは、そういうこと。
結局ズルズルと、前日まで来てしまった。
今日は侑李の部屋で明日の予定を立てていて。
侑李「ここの水族館でいいよね?」
「……うん、」
侑李「ほら!イルカのショーも見れるし、」
「……うん、」
侑李「……おっきいサメだって、いるし」
「……うん。」
どうしよう。
断るつもりだったのに。
明日は侑李と水族館にデートに行くのに。
侑李「……んね、A」
「……うん、」
侑李「……Aっ!」
「うわっ、…ごっ、ごめん!
何?……あ、ここ!行ってみたかったんだよね!」
侑李「……A?」
「ん?
楽しみだね、明日!」
侑李「……ごめん、」
「ん?どうしたの?」
侑李「今ね、涼介から連絡があって。
明日部活休みになったみたいだから、涼介と遊んできてもいいかな?」
「え?…でも水族館、」
侑李「2回目のお出かけはまたいつでも行けるでしょ。
ほら、Aもたまには僕以外の人と遊ばなきゃ!」
「……分かった、」
侑李「じゃあ、今から涼介の家に行ってくるから
Aももう帰りな?」
「……ん。またね、」
侑李「うん。ばいばい」
侑李の家を出て気づいたんだ。
涼介くんから連絡なんて、きてないよね。
侑李、「またね」じゃなくて「ばいばい」って言ったよね。
全部侑李は気づいてて。
私の背中を押してくれた。
「……ありがと、」
侑李の部屋へ向かって、呟いた。
溢れそうな涙を堪えて。
だって今泣きたいのは、私じゃないと思うから。
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おむきんぐ。(プロフ) - みーちゃんさん» それはよかったです! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 49664135d2 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - 謝らないで下さい!本当にいい話で興奮しまくりです(笑) (2019年5月5日 18時) (レス) id: 0621af8c87 (このIDを非表示/違反報告)
おむきんぐ。(プロフ) - みーちゃんさん» 何かすみません(笑)ありがとうございます! (2019年5月4日 19時) (レス) id: 49664135d2 (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - おむきんぐさん。いや、おむきんぐ様。貴方は私をキュン死にさせるつもりでか?(笑)いや、させるつもりですね。発狂しながら読んでます(笑)続きも楽しみです! (2019年5月4日 19時) (レス) id: 0621af8c87 (このIDを非表示/違反報告)
おむきんぐ。(プロフ) - みーちゃんさん» ドキドキしちゃってください(笑) (2019年4月28日 23時) (レス) id: 49664135d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむきんぐ。 | 作成日時:2019年1月27日 17時