お兄ちゃん second ((Daiki.A))

まいぶらざー。 69 ページ24

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他愛もない話をしながら2人で帰ってきて。
でも、繋がれた手を握り返すことはできなくて。



｢…じゃあ、ありがとね｣


侑李｢……｣


｢侑李？｣



前みたいに、私の家まで送ってくれて。
でも、中々手を離そうとしない侑李。



侑李｢……んね、｣


｢ん？｣


侑李｢やっぱさ、僕じゃダメなのかな？｣


｢……それはっ、｣


侑李｢だって、僕がもう無理だよ。
最近のA、全然幸せそうじゃないんだもん。｣


｢……｣


侑李｢ずっとAのこと見てるから分かる。｣



真っ直ぐ見つめてくる侑李を、見つめ返すことはできなくて。
侑李はいつだって真っ直ぐなのに、
私は真っ直ぐになれないんだもん。

今でもお兄ちゃんのことが好きなのに、
侑李に甘えようとしてる自分がほんとに嫌になる。




侑李｢……ごめん。
こんなこと言われても困るよね、｣


｢ちがっ、｣


侑李｢そんな顔させたかったんじゃないの。
……ごめんね、A｣


｢……悪いのは私だから｣




ぎゅっ




侑李｢僕、いつでも待ってるから｣


｢…侑李、｣


侑李｢僕には、Aしかいないから｣




優しく包み込んでくれる侑李に、
涙がこぼれそうになった。
でも、私が泣いてちゃダメなんだ。

そっと侑李から離れて、




｢…じゃあ、またね｣




ありがとう。
って伝えようと思ったのに




『家に入りたいんだけど、』






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