お兄ちゃん ((Daiki.A))

まいぶらざー。 09 ページ9

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大貴｢ちょっ、待てって！｣



ぐっと掴まれた右手首。
その場から離れようとする私を、離れさせようとしないお兄ちゃん。




｢…彼女さん、待ってるよ｣


大貴｢彼女じゃねぇし、｣




そう言った時、やべっ。って小さく声を漏らしたお兄ちゃん。


彼女じゃないってことは、そういうことをする相手？

もっともっと、聞きたくなかったことかもしれない。




大貴｢A具合い悪いんだろ？｣


｢いや…、大丈夫｣


大貴｢俺らが出てくから。お前は寝てろ｣


｢大丈夫、｣


大貴｢いいから、｣


｢大丈夫だってば！！…大丈夫だから、｣




…お兄ちゃんの匂いが残ってるベッドで寝ろっていうの？
そんなの、耐えらんないよ。




｢…お願い、離して。｣


大貴｢……、｣


｢…それじゃ、｣




どうして、そんな悲しそうな顔するの？


急に現実を突きつけられて、ビックリして、悔しくて、モヤモヤして混乱してるのに……、

悲しそうなお兄ちゃんの顔が頭から離れない。




『…ちょっと、大丈夫？』




そう言って、私の右手首を優しく掴んだのは




｢…あ。侑李、｣


侑李｢…おいで、｣




いつも隣にいてくれた、侑李だった。






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