お兄ちゃん ((Daiki.A))

まいぶらざー。 37 ページ37

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｢いってきまーす｣




いつも通りの朝。

……ううん、いつもと違う朝。



今日はお兄ちゃんのことを起こさなかった。
お兄ちゃんと登校もしない。


その代わりに、




侑李｢…おはよ、｣


｢おはよ！｣




侑李が家の前で待っててくれる。




｢何時に家出て来たの？｣


侑李｢ばか。そういうこと聞かない、｣


｢……だって、｣


侑李｢当たり前でしょ？彼氏、なんだから｣


｢え？｣


侑李｢……あれ、違った？｣




ちゃんと覚えててくれた。

私のこと、信じててくれた。



だってさ、お兄ちゃんと離れられなかったかもしれないのに。

いつだって侑李は真っ直ぐなんだ。
真っ直ぐに、私を思ってくれる。





｢ふふっ、ううん。違わない！｣


侑李｢もー…、びっくりさせないで｣


｢ごめんね？｣


侑李｢ほら、行くよ｣




ぎゅっと強く握られた手。

その手を私も強く握り返した。




侑李｢っ、…ふふっ。｣


｢ん？何笑ってんの？｣


侑李｢んーん。何でもない、｣


｢えー、何？｣


侑李｢何でもないってば！(笑)｣


｢えー…、｣


侑李｢…あ！今日席替えだよ｣


｢…あ、そうだった！
っていうか、話逸らしたー！｣


侑李｢もー、朝からうるさいなぁ｣




隣で楽しそうに笑う侑李を見て、
これでよかったんだって思った。


こうやって、侑李と同じ方向を向いていこうって思った。





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