お兄ちゃん ((Daiki.A))

まいぶらざー。 33 ページ33

・



大貴｢Aっ｣



放課後になって、ほんとに迎えに来てくれたお兄ちゃん。
後ろのドアのところで、私の名前を呼んでくれる。



｢はーいっ！｣



｢｢あの2人って、兄妹なんだよね？｣｣


｢｢え、カップルみたい！｣｣



ザワザワしてるクラスメイトの横を通り抜けて、
お兄ちゃんの目の前に立つ。



大貴｢今日はクレープ行くんだよな？｣


｢ふふっ、うん！｣



周りのことを気にして、
コソコソと小さな声で話すお兄ちゃんに
満面の笑みで答えると、
お兄ちゃんも笑顔で行くか！って言ってくれる。


……うん、幸せ。



・

・



周りのこと気にしたくないから、
ちょっとだけ遠くに行ってみよっか！



そう言ったお兄ちゃんに、
それもそっか。と納得して電車に乗り込んで。

少し離れた、同じ学校の人がいないような
ところについた私たち。



大貴｢じゃあ、まずはクレープだな！｣


｢うん！｣



どちらからともなく手を繋いで。


ぎゅぅって強く。
強く繋いで。




大貴｢他はどっか行きたいとこないの？｣


｢んー…、イルミネーションとか見たいかも。｣


大貴｢じゃあ、母ちゃんに連絡しとかないとだな｣


｢え？｣


大貴｢遅くなるって｣


｢デートしてるって言うの？｣


大貴｢2人で買い物行ってるって言えばいいんじゃね？｣


｢…そうだね！｣




ほんとは、買い物とか行って
思い出の物買おうと思ったんだけどさ。


……でも、忘れられなくなる気がするから。


だから、残らないもの。
私の心に閉じ込めておけるもの。



お兄ちゃんとの最後のデートは、
ちょっぴり寂しい。そんなデート。





・

まいぶらざー。 34→←まいぶらざー。 32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す