お兄ちゃん ((Daiki.A))

まいぶらざー。 12 ページ12

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それからずっと、侑李は私の隣にいてくれた。




｢｢ねぇ、2人ってさ…付き合ってんの？｣｣




周りの友達から、こう聞かれることも多くなった。




侑李｢んー…付き合ってるように見える？｣


｢｢…うん、まぁ。｣｣


侑李｢まだ付き合ってないよ。ね？A｣


｢うん、｣


｢｢まだ、って？｣｣


侑李｢いつかは、そうなる予定なの｣




決まって侑李は、"そうなる予定"と言ってくれる。

その後絶対、頭をぽんぽんって2回優しく叩いてくれる。
焦らなくていいよ。って言ってくれてるみたいに。



ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ



｢｢やばっ。ちょーカッコイイ……、｣｣


｢｢ほんと。こんな先輩がお兄ちゃんとか羨ましいよね｣｣




私のクラスに訪れた人に、ざわざわと色めき立つ女子たち。




大貴｢Aいる？｣




そりゃそうだ。

だって、こんなにカッコイイんだもん。




｢何？｣


大貴｢俺の弁当持ってない？｣


｢え？…あ。そういえば、｣


大貴｢まじ？助かったわ！｣


｢ちょっと待ってて、｣




自分の席。…侑李の隣の席に行って、お弁当を取り出す私。
お兄ちゃんの所へ行こうとした時に、少し引っ張られる制服の袖。




｢…ん？どうしたの、侑李｣


侑李｢ちゃんと、戻ってくるよね？｣


｢え？…うん、？｣




どういう意味か、分かんなかった。

でも、すごく悲しそうな瞳だったの。





｢…はい！もう、次はないからね？｣


大貴｢ごめんごめん！ありがとな！｣





そう言って、頭をぽんぽんって2回。
上書きするみたいに。

お兄ちゃんのことが好きって、改めて思わせるように。






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