1番近く。 ((Hikaru.Y))

ちかく。 16 ページ16

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ひかと仲直りが出来ないまま、時間だけが過ぎていく。


こういうのは、時間が勝手に解決してくれるものだと思い込んでいた。


でも、違ったみたい。





｢おはよー、｣





慧｢まぁだ仲直りしてないの？｣





｢…うん、｣






朝も一緒に登校しなくなって、席も隣じゃなくなった。



1番後ろの端と端。



ひかは廊下側で、私がグラウンド側。






慧｢体育祭で、仲直りできると思ってたんだけどなぁ｣






1ヶ月前にあった体育祭でも一言も喋ることなく、夏休みに入ろうとしていた。






慧｢でも、ほら！夏休みって、サッカー部は合宿があるんでしょ？｣





｢…え？あ、そうだった。｣





慧｢ほら！仲直りのチャンス！｣





｢…でも、｣





慧｢でもじゃない！いざとなったら薮もいるし。｣





｢…頑張る、｣





よしよしって、私の頭を撫でるいのちゃん。


その時、いのちゃんの後ろの方から視線を感じたけど、気づかないふりをした。





光｢…んだよ、｣





3日後には、夏休み。


その1週間後には、夏合宿。





｢はぁ…、｣





頑張るしか、ないんだよね。


ひかと喧嘩したまま迎える夏休み。
仲直りできたらいいな、っていう少しの期待と
仲直りなんてできるのかな、っていう大きな不安を抱えたまま。







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