1番近く。 ((Hikaru.Y))

ちかく。 15 ページ15

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ぎゅぅっ




｢ねぇ、いのちゃん｣




慧｢ほぇ？どうして俺って分かったの？愛の力？｣




｢それはない。｣




慧｢ひっでぇ(笑)｣





いつも通りの朝。


いのちゃんに絡まれた後、先に席に着いてるひかを追いかけるように私も席に着く。





光｢…いのちゃんのこと、好き？｣





｢え？…うん、好きだよ？｣





光｢よく見たらさ、お似合いだよな。｣






でも、ひかと私の関係は少しいつもと違った。





｢どうしてそんなこと言うの？｣





光｢どうしてって、｣





｢…ひか？｣





光｢お前には分かんねぇよ、｣







隣の席の、1番近くにいるひかのこと、全然分かんなかった。


ずっとひかの隣にいたから、半分しか気持ちが分かんなかったのかな。


隣からじゃ、半分しか見えないから。





｢…分かんないよ、｣





光｢は？｣





｢ひかの気持ちなんて分かるわけないじゃん！｣






初めてひかと喧嘩した。






光｢…別に分かってもらえなくていいよ｣






ひかが何でも許してくれたから。


ひかがいつも怒らないでいてくれたから。


だから、どうせすぐに仲直りできるって思ってた。





｢…何それ、｣





でも、喧嘩したのが初めてだったからこそ、仲直りの仕方が分からなかった。


関係を元通りにする方法が分からなかったんだ。








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