7.幼馴染 ページ7
｢はぁっ...｣
｢｢うん、怖かったね。｣｣
そう言って私の頭を撫でる彼。
｢ゆっ...とっ...｣
裕翔｢もう大丈夫だよ｣
幼馴染の中島裕翔。
幼稚園の頃からずっと一緒で、大学も一緒。
お互い一人暮らししてて、部屋も隣。
そんな彼に侑李のことは全部話してる。
裕翔｢でも、Aは知念のことまだ好きなんだよね？｣
｢え...？｣
裕翔｢だって、別れたいっては思ってないじゃん｣
そうだ。
あれだけ酷いことをされたのに、今も侑李に会いたいって思ってる。
あれから一週間、連絡は無視しているのに。
裕翔｢Aはさ、どうしたいの？｣
｢うーん...｣
裕翔｢でも、あれだけ酷いことされたんだよ？｣
｢うん...｣
裕翔｢しかも知念は悪いって思ってないんでしょ？｣
｢うん...｣
裕翔｢だったら、またいつあんなことされるか分かんないじゃん｣
｢っ...｣
そうだ。
侑李は悪いと思ってない。
だったら、また同じことをされるかもしれない。
裕翔｢俺もさ、Aの気持ちを大事にしたい。
だからといって、Aが傷つくのは見たくな
い｣
侑李と...別れる？
それともまた同じことをされる？
裕翔｢A...｣
そう言って、裕翔はずっと頭をぽんぽんしてくれる。
小さい頃からそうだった。
私になにかあると、いつも隣にいてくれた彼。
ずっとそばにいてくれたのは侑李じゃなくて裕翔だった。
お互い"好き"って気持ちはない。
裕翔は、ただの幼馴染の私に頭をぽんぽんすること以上はしない。
だからずっと一緒にいれたのかな...？
｢裕翔...｣
裕翔｢ん？｣
｢わたし...｣
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作者名：おむきんぐ。
| 作成日時：2018年2月18日 8時
