6."大ちゃん" ページ6
｢｢あのっ...Aさんっ｣｣
侑李の家を出て、10分くらい歩いた所で名前を呼ばれた。
｢｢Aさんっ｣｣
さすがに無視するのは悪いと思って、振り返る。
そこには2度と見たくない顔。
"大ちゃん"が息を切らして立っていた。
｢っ...何ですか｣
消えそうな声で返事をする。
｢｢ごめんなさいっ...｣｣
90度以上体を曲げて謝る彼。
今謝るくらいならあんなことしないでよ。
｢｢傷つくことくらい分かってた｣｣
だったらどうしてあんなこと。
｢｢でも、いつも知念が自慢してたからっ｣｣
｢｢Aさんのこと、自慢してたからっ｣｣
｢.....｣
｢｢会ってみたいなーって思ってて、｣｣
そんなこと言われても...
｢｢知念からお願いされて、軽い気持ちだった｣｣
結局、私のことは何も考えてなくて
まぁ...そんなもんか。
｢｢ほんとにごめんなさい｣｣
｢今更謝られても...｣
そう。終わった後に謝られても意味がない。
まぁ、する前に謝る人もおかしいとは思うけど。
｢｢怒って...ますよね｣｣
はい、怒ってます。
でも、そんなこと言っても意味がない。
それにあなたとはもう関わらないと思ったから。
だから。
｢もう大丈夫です。｣
そう言ったの。
また家への道を歩き出す。
彼に背を向けて。
今日のことは忘れよう。
そう心に決めて。
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作者名：おむきんぐ。
| 作成日時：2018年2月18日 8時
