19.Daiki side ページ19
((Daiki side))
とうとう"あの日"がきた。
侑李｢念のため、これ用意したから｣
楽しそうな知念の手には、手錠と目隠し用の布。
俺は何回も確認した。
ほんとにいいのかって。
それでも知念は
侑李｢もう、だからいいんだって！｣
そう答えるばかりで。
モヤモヤした気持ちのまま、Aちゃんが来るのを待った。
一応、知念の家の浴室で身体をキレイにして、そのまま浴室でAちゃんを待ってた。
初めて近くで見るAちゃんは手錠と目隠しをされ、生まれたままの姿だった。
Aちゃんはすごく怯えていて、やっぱりこれはよくないって何度も思った。
だから、俺は何度も確認した。
｢ほんとにいいんだな？｣
Aちゃんは、知念じゃない誰かに触れられるということが分かったみたいで、
｢嫌っ...嫌っ｣
ってずっと言っていた。
それでも知念は
｢大ちゃん...早くやっちゃって｣
そう俺に言ったんだ。
行為が終わったあと、やっぱりすごく後悔した。
泣いているAちゃんを見て。
知念に抱き締められてるAちゃんを見て。
あぁ、俺にはAちゃんを笑顔にすることは絶対できないんだって思った。
知念の家を出ていくAちゃんを見て、気付いたら追いかけてた。
許してもらえなくてもいい、とにかく謝らなきゃいけないってそれだけ思ってた。
Aちゃんを見つけて、精一杯謝った。
｢もう大丈夫です｣
Aちゃんはそう言った。
あぁー、俺の恋はほんとに終わったんだって思ったんだよね。
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作者名：おむきんぐ。
| 作成日時：2018年2月18日 8時
