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17.好きだよ ページ17
優しく抱き締めてくれる大ちゃん。
すごく嬉しい...嬉しいはずなのに、頭の片隅にある侑李の存在。
｢大ちゃん...ありがと｣
私は、ゆっくり離れて大ちゃんの顔を見ずにお礼を言った。
顔を見なかったわけじゃない。見ることができなかったんだ。
大貴｢あのさ...まだ、知念のこと好き？｣
｢...え？｣
大貴｢あ...いや...｣
ずっとずっと好きだった侑李のことを、簡単に忘れられるわけがない。
それでも私は別れることを選んだ。
大貴｢俺、Aのこと...｣
｢言わないでっ！｣
｢聞きたくない...何も...聞きたくない｣
言われることは大体分かった。
でも、それを聞いてしまったら何もかも終わってしまう気がしたの。
大貴｢...A？｣
そんな瞳で見つめられたら困る。
瞳をうるうるさせて、可愛い顔で覗き込んでくる大ちゃんの顔は真剣で、私はそんな大ちゃんを見ることはできなかった。
｢ごめんっ...｣
｢助けてくれてありがとう｣
｢...侑李のことまだ好きだよ｣
私は大ちゃんに...私を守ってくれた大ちゃんに...
最低なことを言ってしまった。
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作者名：おむきんぐ。
| 作成日時：2018年2月18日 8時
