Another Strawberry−2− 【stpr】【マフィア】

… ページ27

『･･･ゔぅ･･･ん･････』

ぼやけていた視界が徐々にピントを合わせていく
冷たい床の感触と手足にある違和感でようやく理解した

僕はあの男に捕まってしまったのだ

案の定、手足は拘束されている

『(くっ･･･。何してるんだるぅと！！自分の力を過信した上に、今日花ちゃんが無事だった安堵から敵に隙を見せるなんて･････！)』

単純すぎる自分に心底腹が立ち、噛み切れるのではないかと思う程強く唇を噛んだ

ふと横を見ると今日花ちゃんが今にも崩れそうな表情で僕を見ていた

『今日花ちゃん･･･―――――』

直後、あの男が戻ってきた。手にはバケツが握られている




すると！


バシャァッ！！



『うっ･･･！？ゲホッゴホッ！』

男は獣のような瞳で僕を見下しながら、突然バケツの水を被せたのだった
そして胸ぐらをグッと掴み、引き寄せてこう言った

男「お前何者だ･･･？せっかくの誘拐(金儲け)を邪魔しやがって･････！！」

男の目は憎悪で満ちていた
かけられた水でビショビショの僕は、キッと男を睨んだ

『･･･言いません･････。あなたのような最低な人に教える訳ありません！！』

僕がそう言い放った

次の瞬間



ドガッ！



『ッ！！』

今日花「キャアッ！」

僕は男の拳を腹に食らった
一気に吐き気が押し寄せる

男「何が！最低だ！お前なんか！何にも知らねぇ！癖に！」

男は僕を罵りながら殴る蹴るを繰り返す
ついに殴られた僕の顔面から、唇が切れて血を噴き出した









その時、僕は完全に思い出してしまった





あの、忘れたい記憶(・・・・・・)を―――――――･････

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