Another Strawberry−2− 【stpr】【マフィア】

… ページ45

○3日後・未明――――○









規瀬「ハァッ･･･ハァッ･･･。

･･･へへっ。警察もざまあねぇな･････。


後はこのまま逃げ切って、顔さえ整形すりゃぁ･････――――」




『逃げ切れる。とでも思ったか？』


規瀬「！？だ、誰だ！？」


真夜中の廃倉庫で、月明かりの微弱な光によって照らされた規瀬の驚く表情をこの眼中に捉えた

『残念だったな。お前の悪運もここで終わりだ』

規瀬「･･･うん？

･･･フッ、ハハハハハッ！！誰かと思ったら、さとみじゃねぇか！！

俺達の事を見放した“裏切り者”が、今更何の用だ？」


“裏切り者”と言う言葉に、拳にグッと力がこもる

『･･･俺の過去とお前に、決別しに来たんだ』

規瀬「ほう･･･？」


宿敵を目の前にして、呼吸が荒くなる

息遣いに気づいたのか、ころんがイヤホンマイクの無線越しに『大丈夫？』と聞く

『大丈夫だ。信じろ』


小声で俺はそう呟き、スッと重心を落とした

規瀬「そっちがやる気なら･･･全力で付き合おうじゃねぇか･････よ！！！」


一気に規瀬が距離を詰めてきた
俺も低い姿勢で規瀬に突っ込む

先に仕掛けたのは規瀬だった
早速アッパーカットを打ってくるが、それを見切った俺はバク転でかわしてストレートを打ち込む
規瀬は少しだけよろけたが、すぐに持ち直して今度は回し蹴りを放った
避け切れそうにはなかったため、腕でガードをしてその脚をテコに規瀬を投げ飛ばした

が、流石は元暴力団若頭だ

廃材の山に突っ込んでもすぐに立ち上がった
そして、口の中の血をプッと吐き出して言った

規瀬「やるじゃねぇかよ。“裏切り者”」

『その呼び方はやめろ！！裏切り者はどっちだ！！』

規瀬はニッと不敵に笑って再び俺に向かって来た

俺は規瀬の連続ジャブを避けて、足払いをかける
規瀬は予想外だったのかバタッと倒れた


『(よし･･･。今なら拘束できる･････！！)』





そう思って手を伸ばした瞬間だった







バギッ！！！





『え･･･』


視界が白くなり、瞬きをした時には俺の顔は地面の冷たい感覚を覚えていた

額から、生温かい血が流れ出る

かすむ視界の中俺が目にしたのは、先の曲がった鉄パイプを持つ規瀬の姿だった
あの廃材の山からかすめ取ったのか

規瀬「ハハハッwさとみは相変わらず不意打ちには弱いんだなぁ〜w」

規瀬がニヤニヤしながら言う

俺はまだ脳震とうが収まらずに動けない











規瀬「死ね。裏切り者め」

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