第2章晝は夢 夜ぞ現 黄昏は幻なり第25話 ページ30
駄菓子が食べたいとごねる乱歩を
福沢が宥めること三回。
根負けして私が買いにいくこと二回。
飛行機が飛ぶ理由を訊ねられること三回。
足が疲れた休みたいと文句を垂れる
乱歩を二人で説得すること四回。
福沢が
福沢と私そして乱歩はようやく
次の現場に到着した。
その間乱歩は間断なく喋り続け、
意見を求め続け、文句を云い続けた。
曰く自分は歩くのが嫌いだ
肉体労働には向いていない
移動などの時間は無駄だ
何のために通信装置は
発明されたと思っているのか
まだ着かないのか、駄菓子が食べたい
あの銘柄は最近駄目だ
社長が代わって品質が落ちた、
都会は駄目だ、でも田舎はもっと駄目だ
遊覧船に乗りたい、鳩に餌がやりたい
本当にまだ着かないのか
駄菓子が食べたい、どうして
まだ着かないのか、駄菓子が食べたい
本当は遠回りしているのではないか――。
福沢も私も表情ひとつ変えなかった。
私は乱歩のこういった性格は
重々承知していたので、小さい
幼児を相手にするように接していた。
だが、福沢は遠い目をしながら
対応を続けていた
そうして移動を続けながら二時間後
ようやく目的地に辿り着いた。
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時