検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:62,272 hit

第27話 ページ32

「申し訳ない、江川殿」



福沢は眼前の女性に素直に頭を下げた。



約束の時間に遅れたのは



乱歩がある事ごとにぐずったせいだが



それは女史には関係ないことだろう。



「ま、いいわ」



女支配人はくるりと背を向けると、



靴音を高らかに鳴らしながら



通路を歩き出した。



黙って福沢が続く。



「開演まではまだ間があるから、
現場を確認しておいて頂戴」



福沢は江川女史の後を追いながら云った



「脅迫の主の目処(めど)はついているのか?」



江川女史は足を止めると、



振り返って云った



「それは貴方の仕事ではないわ。警察には
既に届けてあります。用心棒たる貴方の
仕事は殺人が起こった場合の犯人を
取り押さえること。要するに頭数よ。
見張りや聞き込みは制服警官がするわ。
全く苛々するったら――殺人の予告まで
出されて、市警が何人来たと思う?
4人よ、たったの。ああ忌々しい。どうせ
殺人なんて起こりゃしないと高を
括ってるんだわ、舐められてるんだわ、
人が死んだら全部市警の所為にしてやる」



福沢は表情を変えず当惑していた。



江川女史は、しっかりとした堅実そうな



女性だが、少々性格が想像とは



異なるようだ。



「脅迫の内容を教えていただけるか?
敵の狙いによって警備の体制が
変わってくる。」



「これよ」












江川女史は一枚の印刷紙を取り出した



簡素な印刷字体で、数行の文言が



書かれている。



「何日か前に事務所に届けられていたの
『天使が演者を、真の意味で死に
至らしめるでしょう――V』それから公演の
日時と演目が書かれてるわ。天使とか
Vとか、全くふざけた脅迫。どうせどこか
他の劇場の営業妨害でしょう」



「そうかなぁ?」

第28話→←第26話


ラッキーアイテム

麦わら帽子


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。