黒猫兄貴は行方不明【黒尾鉄朗】

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貴方side




京治に連れていかれるままに来たのは人気のない廊下




ひより達がいないところでしかできない話とは何だろうなんて考えてたけど、察しはつく




油断してぼーっとしてたらいきなり京治の腕が伸びてきてあたしの腕をがっちり掴んで、制服を捲った




「ちょ、何してんの…！」




こっちが呆気にとられていると淡々と京治は言葉を発する




「これ、どっちの傷。」




京治の目に映るのはあたしの腕に散らばった赤黒い痣




どっちの傷というのは、喧嘩で作った傷か父からつけられた傷かということだろう




「喧嘩に決まってんでしょ。」




嘘。




昨日は酒が足りないと言って暴れてその時につけられた




酔ってる時は理性がないから人から見えるところにもつけられてしまって困る




「Aは痛くないっていうけど、繰り返してたら壊れるよ。」




わかってる




もう体も心もズタボロだけどね




「あんたらが居ればあたし幸せだから。」




学校に来るのもそのため




傷がバレるかもしれないのに学校に来るなんて自分からしたらばかばかしい




それでも来るのは友達に会うため




皆にとってはあたしなんて友達の一人だろうけど、あたしはあんたらは家族同然だから




「心配してくれてどうも。あたしは大丈夫だから。」




これを言うのも何百回目だろう

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