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貴方side
悔しい、悔しい、
あんなやつからキスされたぐらいで涙を流していることがなにより悔しい
初めてだったのに
周りの人間から尻軽だとかビッチだとか囁かれているわたしだが異性と手以外で肌を重ねたことは生まれてこの方一度もない
あんな男と初めて唇を重ねるなんて
まだ唇にあの柔らかくて冷たい感触が残っているのが不快でそのままトイレに駆け込んだ
水を唇にあてながら不乱に擦る
消えろ、消えろと願いをこめて
***
及川side
噛まれた口の端がチリチリと痛む
あんな必死に抵抗されたのはこの学校に入って初めてだった
周りより自分の顔が整っていることは自覚してるし、誰とでも寝るというあの女が俺と同じ人種なことはわかっている
でもあの時見たのは今まで関わってきた女とでは見たことの無い涙だった
頬を真っ赤にして瞳から大粒の涙を流した白崎Aは、
「とぉーるっ!」
ソファに座る俺の肩に急に腕を置かれる
それと同時に白崎Aからは決して香ることの無いきつい香水の匂い
不意に眉間にシワがよるのに我慢して返事する
「なにー? ミナちゃんまたズル休みしてたの?」
「寝てる時に徹があの女と喋ってるの聞いてたのー。徹、あいつに言い寄られてるの?」
また女が何かをほざく
俺の何も知らないくせに彼女面して俺を繋ぎ止めようとするのが気に食わない
「そだねー。でも大丈夫。もうあの子は来ないから一生にサボろうか」
そう行ってベッドへ促す
この時の俺の言葉が女達の導火線に火をつけることになるとは知らずに
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オレオ。(プロフ) - 続きが気になります…!更新楽しみにしてます! (2019年4月7日 1時) (レス) id: 673c1de69d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱく | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月23日 19時