悪者少女【ハイキュー】 (ページ4)

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貴方side

顔を上げた黒髪のその人は男の子にはもったいないくらい綺麗な顔をしていた

かっこいいとかじゃなくて入り日に照らされたその人は綺麗だった

「…もうこんな時間か、ありがとう」

とてもありがとうを言うような表情ではなかった気がするがたった一言、それだけを言ってフラフラと図書室のドアの方へ向かっていった

それと同時に園田先生の戸締まりも終わったみたいだった

「あの子、国見くんっていうんだけどね。あれだけ綺麗でしょ？女の子にも人気でうるさいって言って図書室に入り浸ってるの。贅沢な悩みよねえ」

それであの表情

起こされたことに不満を感じたのかと思っていたが女子が煩わしかったのか

「Aちゃんも本当に綺麗な顔よね？男の人は黙ってないんじゃないの」

頬をほくほくしながら尋ねてくる園田先生は楽しそうだ

やっぱり先生というのは生徒の色恋沙汰が好きなんだろうか

「こんなやつ、誰も相手にしませんよ」

「またまたぁ」

本心だし事実だ

先生は噂なんて知らない

本心で私と接してくれる園田先生の傍は落ち着く

「次移動なので行ってきます」

「あらほんと、ごめんねこんな時間まで」

「いえ、楽しいので」

「ふふ、またいらっしゃい」

見送る園田先生の視線を背に教室へと足を向けた