大王様のお気に入り7th【青葉城西】

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貴方side




「久しいな。傷はどうだ？」



「はい、おかげさまで。」




違う、私はこんな話をしに来たわけじゃないんだ




「あの、牛島さん、」
「及川のことか？」




私が要件を口にする前に牛島さんがその言葉を遮った




なんでもお見通しだと言われているみたいで少し口にするのが怖くなった




「大丈夫だ。詮索はしない。だが、こっちも仲間がやられている。黙っているわけにはいかない」




「です、よね…。でも、」




あの人が無敵なわけではない




ここにはたくさんの強敵がゴロゴロいる




傷つくところなんて見たくない




「勝手なお願いかもしれないんですが、会長を見つけたら私に教えてほしいんです」




白鳥沢からしたら馬鹿なお願いかもしれない




仲間が傷ついているというのに、傷つけたヤツの女に連絡しろなんて言うのだから




「馬鹿なお願いというのは重々承知です。でも私が今度はあの人を助けたいんです。どうかお願いします」




頭を深く下げた




返事はまだ帰ってこない




やはりだめかと思い、地面に膝をつけようとした時、




「いいだろう」




「……え？」




「いいと言ったんだ」




思わず下げていた頭を上げてしまった




「俺たちの仲がこんなにも良好になったのはお前のおかげだ。もとよりそんな関係は望んでいないが、これもいいものかもしれないと思い始めた」




牛島さん堅い表情が崩れる




すごくあたたかい表情に変わった




「それに、また笑ってほしいからな。

ただ、これだけは約束しろ。無理はするな」




やっぱり牛島さんは優しい




「…あり、がとうございます」




どうしよう、涙が出そうだ。

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