検索窓
今日:7 hit、昨日:4 hit、合計:131,086 hit

story185 ページ15

貴方side




岩泉さんのひと回り大きめのスウェットを脱いで乾いた制服に手を伸ばした




しかしそこには同じデザインのブレザーが二つかかっていた




右の小さめのブレザーは私のだけどその隣に掛けられているブレザーは私のよりもひと回り以上大きい




岩泉さんはもう学校に行ったから岩泉さんのものではない




少し捲ってみると『及川』と刺繍がしてあった




それを見たら本当にあの人が助けてくれたんだって実感が湧いた




気づいたらその人のブレザーをぎゅっと抱きしめていた




その時にふと思い出した




『俺の隣に居たければその目に悪い金髪どうにかしてきてね』




『最近は金髪を見るだけで気分悪いのに』




鏡に映った私の金髪は腰まで真っ直ぐに伸びている




大嫌いな両親と違うものを持っているこれが大切で小さい頃からずっと伸ばしていたものだった




あの人がこれを見るのが辛いのなら、




「もういらないね」




私ははさみを手に取った




***

赤葦side




「ああもうっ、あの人どこ行ったんだ」




今日も今日とてどこかで暴れまくるあの人を探している




それもここはイカれた奴らが血を求めて動き回る無法地帯




歩くたびに拳が飛んでくるようなところだ




こんな面倒くさい場所本当は来たくなかったのに、あの馬鹿リーダー




小さく舌打ちし、再度周りに目を配ると今建物の影に入る華奢な影が見えた




格好的にもあれは男じゃない




こんなとこ女なんて大概怖がって近寄らないはずなのに、ここに来たということは結構なアバズレかもの知らずな馬鹿だ




「……しかたない」




面倒だけどとりあえずそいつのあとを追う




捉えた後ろ姿は青城の制服を着た金髪の女




一瞬Aかと思ったが、俺の知ってるAの髪は腰まであるはずだ




それも小さい頃から大切にしてると




「ちょっと君、ここは危ないから今すぐ出た方が」




そいつの腕を掴んでそう言うと




「赤葦さん?」




振り向いたそいつは腰まであった髪を肩上まで無造作に切り落としたAだった

story186→←story184



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (471 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2300人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琉依 - とても魅力的な作品でした!及川さんが記憶喪失になったり、双子が居たりと大変なことばっかでしたが、夢主達はそんな苦難を乗り越えて力を合わせてハッピーエンドに行っていたので、皆がいるから乗り越えられたんだろうなぁ、と思わせられました!とても面白かったです (2022年11月13日 0時) (レス) @page24 id: 639c914399 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 最高でした。 過去の及川には、ちょっと引いたけど…最終的にはハッピーエンドですね! <質問>最後の及川がもとに戻ったこと研磨に言ったんですか? そこが気になります! (2020年1月7日 0時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)
田噛LOVE - 最高でした!! (2018年4月6日 19時) (レス) id: ff2391c80c (このIDを非表示/違反報告)
はるぴょん - ずっと、読んでました!超、面白かったです。お疲れさまでした。 (2017年12月23日 19時) (レス) id: c22860f175 (このIDを非表示/違反報告)
雫鶴鳩 - お¨も¨し¨ろ¨か¨った¨((泣終わってほしくな〜い〜 (2017年12月14日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱく | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年11月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。