大王様のお気に入り6th【青葉城西】

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黒尾side




木兎が撃沈。




木兎特有のピュアさでもオトせないイワデレラ




まさに難攻不落の城と思わせる佇まい…




『さあ、次挑戦するのは誰ですかー。』




まるで撃沈されるのを待ち望むかのような笑顔を向けてくる司会者




あんな真っ黒な笑顔は今まで見たことがない




「俺が行く。」




そんな魔の笑顔を諸ともせず、堂々と名を挙げたのは今まで空気だった牛島




『はい！では牛島選手の挑戦です！』




＊＊＊

Noside




綿毛のような雪が舞い降る季節




今日は誰もが待ち望んだ聖夜の日




「今日は楽しかったか。」




とある高層ビルのレストランでナイフとフォークを持ちながら言葉を交わす二人




「うん。」




「そうか。」




周りもカチャカチャとナイフが皿に当たる音しかしない程の静寂




交わす言葉が少ないのも無理はない




「デザート頼むか。」




男はそう言って近くにいるウェイターにデザートを頼んだ




ここのデザートはどれも女心を擽るようなものばかりで密かに心を踊らせた




だが、出てきたのは女の予想を遥かに越えるものだった




「ご注文の品でございます。」




ウェイターの手から出てきたのは小さな箱




予想していなかったとはいえ、その中身がわからない程鈍い女ではない




男はその箱を手に取り、中に入ったリングを女の左手の薬指にはめた




「結婚してくれるか、イワデレラ。」




＊＊＊




「「「プロポーズかよぉおおおお‼」」」




木兎の時の笑い声ではなく次に響いたのはちょっとした野次だ




「付き合ってる設定ならもうオトしてんじゃん！」




「様になりすぎてて気持ち悪ィんだよ！」




野次とはいっても半分、いや九割は嫉妬である




『それではイワデレラ、判定をどうぞ！』




「プロポーズならさっきの劇で受けている。5点。」




そういう問題っすか。

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