大王様のお気に入り6th【青葉城西】

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及川side




『第一問！生徒会長及川徹の好物は！』




なにこれ！
いきなりサービス問題じゃん！




「司会者ふざけてんスか。及川の好物なんて興味もないし、知りたくないです。」




すぐ隣の人間の文句がよくもまあすんなりと。




でもそんなのを気にしている時間もない




Aちゃんには悪いなんて思ってないけど、ここはがっつり優勝狙っていきます！




「はい！」




返事と共に手元のボタンを押すとスピーカーからピンポンと高い音がした




「牛乳パン！」




自信しかない。




ドヤ顔全開で正解の音を待っていると、ステージに響いたのはその全く逆のものだった




「はあ!?なんで!?」




『なんでもかんでもない。不正解。』




牛乳パン以外に何があるってのさ




この及川さんが知らない及川さんの好物なんてこの世にあるの!?




「はい。」




『はい、岩泉！』




「ちょっと待って岩ちゃん！審査員でしょ!?」




必死に抗議する俺をよそに岩ちゃんは淡々と恐ろしい答えを口にした




「女。」




そんなの正解なわけないじゃん。馬鹿なの？




と思っていた節に、




『正解！先制点は岩泉です！』




「嘘でしょ!?好物が女って誤解されるような表現やめて下さい！」




『はい第二問ー。会長秘書雨宮Aの嫌いなものはー？』




まっつんまで俺を無視し出した




このステージの上に俺の味方はいないのか




傷心していると出された問題を忘れていた




Aちゃんの嫌いなもの。それはあれしかない。




他校勢にはこの情報は絶対知らない




なんだかんだ俺にこのクイズ有利じゃんか！




「はい！」




『はい、及川選手。』




「犬！」




今度こそ正解に違いない。




完璧で好き嫌いのないAちゃんの嫌いなものなんてこれしかない




『ﾌﾞﾌﾞｰ。不正解でーす。』




まっつんが上がることのないテンションのまま俺に告げた




「え！他になんかあるのAちゃん！」




「はい。」




『はい！岩泉！』




嘘でしょまた!?




何このフリーダム。




「及川。」




『せーいかーい！岩泉、怒涛の二連続得点！』




このコンテストは俺の好感度を下げるために開催してるの？




AちゃんはAちゃんで否定してくれないのね。

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