大王様のお気に入り6th【青葉城西】

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二口side




木兎さん、ウシワカと『好き』と伝えては撃沈されていった




ウシワカのあの完璧なプロポーズにも全く動じないイワデレラ




当たり前といえば当たり前だが少しくらいは心が動いたりはしないのだろうか




「ちょっと、にろちゃん クロちゃん！これどうすんのさ！」




「俺達無得点組が取らないとあの木兎にも負けるはめになるぞ…。」




「それは屈辱的っすね。」




密かに作戦会議を開いているうちにまたあの難攻不落の城を落とさんとする勇者が現れた




「じゃあ私、じゃなくて俺がいきます。」




もうバレているにも関わらず、まだ男設定を崩そうとしないA




おもいっきり私発言して後で言い直しても手遅れだというのに




頭に浮かんだ貶しの言葉の後にやってきたこれから行われる茶番の不安感




男(仮)が女(仮)をオトすというなんともふざけた茶番だ




『それではアメミーヤ選手の挑戦です！』




＊＊＊

貴方side




また急に暗転




皆がステージ脇に下がったのを確認してステージの真ん中に立つ




告白も初で女の子をオトすなんてのも初なわけで




今まで抱いたことのない不安感に襲われて私は周りの様子に敏感になっていた




その時だった




私が上の方から不自然に何かが揺れる音を感じとったのは




それも私の真上ではなく、私が向いている方向より前の方




岩泉さんが立っている場所の上の方からだ




そして真っ暗なステージが照らされた瞬間、明らかに何かが切れる音が耳に届いた




「っ！…岩泉さん、危ない！」




最善策が頭に浮かぶ前に何よりも早く体が動いていた

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