大王様のお気に入り6th【青葉城西】

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花巻side




ステージ開始10分前




松川はまだ隣で台詞の確認をしている




お調子者だとよく言われる俺だって緊張のひとつやふたつはある




でも今それを出してしまったら開場がしらけるのは目に見える




自分を奮い立たせるため両手で両頬を全力で叩いた




「よっしゃ。松川、行くぞ。」




「おおよ。」




松川と共に光り輝くステージへと足を進めた




＊＊＊

岩泉side




皆さんは死にたいと思ったことはありますか。




今、俺はその真っ只中。




「ぶっははははは！岩泉その格好似合ってるべ！」




「す、スガ、もうやめてや…ぶふっ」




烏野のトップ二人に捕まり、ひたすら笑われているのである。




「ごめんな、岩泉。大丈夫。俺は笑わないよ…。」




そう言って哀れみの目を向けてくる東峰は、つい最近烏野の文化祭でメイド喫茶でこの体験をしたらしい




「そういえば、俺達花巻達に呼ばれてここにいるんだけど。なんか言ってた？」




「いや、俺も呼ばれただけだ。」




恐ろしい切り替えの速さ




さっきの大爆笑が嘘のようだ




『れでぃーす あーんど じぇんとるめーん！お待たせしました！』




『Mr.Ms青城選手権の始まりでーす。』




ステージの方から花巻の声とテンションの低い松川の声が聞こえた




『まずは審査員の登場です。烏野からはリーダー澤村。』




「へ？」




急に呼ばれた澤村は現状を理解できていないようだ




『青城からは及川の愛人、イワデレラ。』




「は？」




急に審査員に指命したことはまだいい




及川の愛人とはどういうことだ




『白鳥沢からは今日もダサダサの私服で登場、瀬見。』




「ぶっとばす。」




ステージの脇から『ドヤぁぁ』とでかでかとプリントされたTシャツを着た瀬見が出てきた




『音駒からはTHE little boy、夜久。』




「ぶっとばす。」




瀬見と同じように登場かと思いきや紹介していた松川に飛び蹴りを一発




『はい。松川に替わって続けます。

伊達工からは無口シャイボーイ、青根君でーす。』




『そ、そして、審査員長の菅原です…。』




夜久からの飛び蹴りはそれほど強力だったようで松川も地面に伏せながらの司会




もうすでにうまくいく気がしない。

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