大王様のお気に入り5th【青葉城西】

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貴方side




今日は憎らしいほどの晴天
台風でも来てくれたらなという私の淡い期待はすぐに打ち砕かれた




今日家まで迎えにきてくれたのは岩泉さんで、劇への愚痴をこぼしながらの登校




「じゃ、またな。そっちもがんばれよ。」




「はい。岩泉さんも。」




岩泉さんと別れて１年６組の教室に向かう




他の教室は少し声が漏れている程度に対し、６組はひときわ騒がしい




何かあったのかと急いで教室に行くと、そこには私も声をあげてしまいそうなものがあった




「く、国見君…？何、そのカッコ。」




教室の真ん中にたたずむ見知らぬメイドさん
なんとか国見君だと理解できるというほど綺麗だった




「…見んな。」




可愛い見た目とは裏腹にドスのきいた低い声




国見君は肌も白いし、細身だからこんな格好も似合うんだ




可愛いねと言おうとしたらすごい睨まれたけど




他の皆はゴツい体にピチピチの衣装を身にまとっていて目に毒だ




「はい！これお嬢の衣装！頼まれたものっス！」




「ありがとう。」




普通は前半裏方の料理と後半店の接客という人がほとんどなのだが、私は例外で休憩までずっと接客
(異物を生み出してしまうため)




店の設営も終わってもうすぐで開店時刻




「売り上げ一位目指すぞお前らｧｧ‼」




「おﾞぉぉぉぉぉい‼」




教室中に根太い声が響いた

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