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鬱先生の綺麗な手を握ったAは安心したように笑う。
「人の手って落ち着きますよね」
「せやね。Aちゃんの手は小さいなぁ。俺と関節1個分以上違う。大切にせな、壊れてまうような手や」
「鬱さん。痛み止め貰えますか？」
「今、部下に向かわせとる」
「酷使してません？」
「大丈夫。救護班はいっぱい人居るから。俺、Aちゃんが帰ったら生きていけへんわ」
「……そんなこと言われたら、帰りにくいじゃないですか」
鬱先生はただ困ったように笑って、ごめんね。と言うだけだった。
「寝たら痛みも紛れるんちゃう？」
「そう、ですね。おやすみなさい」
目を閉じたAはしばらく痛みに苦しみ、その後穏やかな表情で眠りについた。寝息を立てて寝るAの額にキスをした鬱先生は、柔らかいAの唇を指でなぞる。
「一体この先、誰が君を奪うんやろね。何か間違いがあって、それが俺やったらええな。Aちゃん。俺、Aちゃんが好きで好きで仕方ないから、野良と遊ぶのやめたんよ。その代わり、君を見る度に襲いそうになってまうけど。好きやで、Aちゃん」
鬱先生の声は彼女に当然聞こえていない。鬱先生は幸せそうな寝顔を写真に撮ったあと、静かにそれを保存した。
「……鬱さん？」
目が覚めた時にはもう彼は居なくなっていた。忙しいし、当然だよな、という気持ちと誰も居ない寂しさが同時にやって来る。腹の痛みも引いたため、少し外の空気を吸おうかと部屋の外に出た瞬間、何かを蹴った。
「ん？え、鬱……さん？一体どうして！？誰がこんな事を」
血塗れで倒れる鬱の横にはダイイングメッセージのつもりか、血で『俺はAちゃんと結婚するんや』と書かれていた。そしてさらに異様なのが、幹部達が涙を流して蹲っていたこと。
「何をしてらっしゃるんですか」
「あれ？A生きとる！」
「勝手に人を故人にしないでください」
「病気で死んだんちゃうの？」
「生きてます」
「もしかして幽霊？」
「こっちの世界にも幽霊居るんですね。ビックリですよ。で、状況説明は誰がしてくれるんですか？私ツッコミ要員じゃないので、今ので体力削られました」
鬱先生を介抱しながらAは1番まともな説明ができそうなエーミールに視線を向けた。
「朝、トントンさんが部屋を伺った際に大先生からAちゃんの看病中だから入るなと言われたそうで。そして大先生の部下が血塗れのパジャマとシーツを持って走ってて。この有様です」
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かす(プロフ) - かこつです。楽しませていただきました。ありがとうございます (7月17日 19時) (
レス) @page48 id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
らあゆ(プロフ) - ありがとう……ありがとう……ほんまにありがとう…一気読み最高でした( ；∀；)夢主可愛すぎるだろ…ありがとう(*´；ェ；｀*) (2023年3月21日 8時) (レス) @page47 id: 61afbf51de (このIDを非表示/違反報告)
♪si?do☆(プロフ) - とっても面白かったです！また面白い作品書いてください！ (2023年1月6日 16時) (レス) id: 89c26ef77d (このIDを非表示/違反報告)
ヒル(プロフ) - 新しい番外編...？好き。夢主の平和ボケっぽいのがずっと抜けない感じ好き。もう、語彙力喪失。ありがとうございますほんとに番外編感謝します...！ (2022年12月21日 23時) (レス) @page43 id: e3196d1b3b (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 完結おめでとうございます！番外編が好きすぎる…。いつも更新されるたびにわくわくして読ませていただいておりました。本当に素敵な作品をありがとうございました！ (2022年12月16日 0時) (レス) @page41 id: 472937dc0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月23日 16時
