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「グルッペンさん。お願いです。やめてください。……落ち着いて」
もう泣き喚くだけじゃない。怖いが、グルッペンの心臓に手を伸ばして、胸の上に手を置く。ドクドクと跳ねる心臓の音が手を伝って感じられる。
「無事に家に帰りたいんです。ここで1度貴方に襲われてしまえば、きっともう二度と元の生活には戻れない。そうでしょう？」
「………………ああ」
きっと、誰かが手を出した時点で終わりだ。そうすれば、保たれていた均衡は一気に崩れ、彼女は幹部内での道具になる。幹部専用の野良になるようなものだ。
「グルッペンさん」
「っ、クソッ！すまない。どうかしていたようだ。……もう、あまり俺の前に姿を見せるな」
冷たく吐き捨てると、グルッペンはAの部屋を出て行った。最後のグルッペンの言葉が鋭利な刃物となってAの心を抉る。
「……嫌われちゃったかな」
本当は皆と仲良くしたい。でも、この世界において男女の友情なんて存在できないのだ。ふと服を脱いで肩を見れば、赤黒く変色していた。
Aも今になってようやく気付いた。グルッペンもトントンもゾムも我慢してくれていた事に。Aはギュッと心が握りつぶされるような感覚に陥った。
その時、部屋にノック音が響いた。
「Aさん。エーミールです」
「俺も居るで」
コネシマとエーミールの声。Aは俯いたまま扉に近づく。
「今は、誰にも会いたくないです。帰ってください」
「……何か、あったんですか？」
「A？どうしたん？大丈夫？体調崩した？お腹痛い？」
「大丈夫です！！！大丈夫だから……どっか行って……」
「……分かりました。行きましょう、コネシマさん」
「でも！！」
「そっとしておいてあげるのが得策です」
2人の足音が遠のいていく。Aは本棚に置いてあるオスマンの歴史書を手に取った。急いでページを捲って、異世界人についてのページを見る。
「……載ってない、か」
一瞬頭を過った。もし自分がこの世界で死ねば、元の世界に帰れるのでは？と。でもそんな都合のいい事は書かれていなかった。
しばらくベッドに倒れ込んで、心を落ち着かせた。夕方になると、部屋にトントンがやって来た。もう既にグルッペンから何があったのかは聞いている。そしてエーミールとコネシマからAの様子がおかしいことも聞いている。だから、トントンはゾムも連れて来てAと真正面から話す事にした。
「A。俺らの話聞いてくれる？」
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かす(プロフ) - かこつです。楽しませていただきました。ありがとうございます (7月17日 19時) (
レス) @page48 id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
らあゆ(プロフ) - ありがとう……ありがとう……ほんまにありがとう…一気読み最高でした( ；∀；)夢主可愛すぎるだろ…ありがとう(*´；ェ；｀*) (2023年3月21日 8時) (レス) @page47 id: 61afbf51de (このIDを非表示/違反報告)
♪si?do☆(プロフ) - とっても面白かったです！また面白い作品書いてください！ (2023年1月6日 16時) (レス) id: 89c26ef77d (このIDを非表示/違反報告)
ヒル(プロフ) - 新しい番外編...？好き。夢主の平和ボケっぽいのがずっと抜けない感じ好き。もう、語彙力喪失。ありがとうございますほんとに番外編感謝します...！ (2022年12月21日 23時) (レス) @page43 id: e3196d1b3b (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 完結おめでとうございます！番外編が好きすぎる…。いつも更新されるたびにわくわくして読ませていただいておりました。本当に素敵な作品をありがとうございました！ (2022年12月16日 0時) (レス) @page41 id: 472937dc0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月23日 16時
