14 ページ14
「ビックリしました。っふふ。あ、そうだトントンさん。1つお伺いしても？」
「1つと言わずに」
「明日、何時に起きて居ればいいですか？」
「ああ、起床の時間にラッパなるから安心して。身支度終えたら部屋で待っててくれれば俺が迎えに来る。食堂……は危ないから、この部屋でご飯食べよか。俺が朝飯作ったる。俺の飯美味いって評判なんやで？」
「本当ですか？楽しみに待ってますね。夜遅くまでお付き合い頂き、ありがとうございました」
「じゃあな」
片手を挙げたトントンはAの部屋を出て外側から鍵をかけた。これでようやくAは本当の睡眠に入れる。それと同時に、急な無音が襲って孤独を感じる。
見知らぬ世界に一人ぼっち。外を1歩でも歩けば、忽ち襲われて女性としての尊厳を失う事になる。ブルっと体が震えた。大丈夫、きっと帰れる。そう言い聞かせて、Aはゆっくり目を閉じた。
翌朝、軍基地内にラッパの音が轟いた。驚きすぎてベッドから落ちたAは腰を強打して間抜けな格好で転がっている。
「いっててて……ビックリした」
半開きの目で洗面台に向かって、バシャバシャと顔を洗う。トントンから貰った服に着替えて、身支度を済ませる。しばらく部屋で待っていると、コンコン、とノック音がした。
「はーい」
トントンが迎えに来てくれた。そう思って扉を開けたAは笑顔のまま固まった。
「……え？」
「ばぁ！」
扉の前に立っていたのは、ロボロ。今日もオレンジ色の甚平を着て雑面で顔を隠している。雑面をズラしたロボロはニンマリ笑う顔を彼女に向ける。
「相手も確認せずに、扉開けたらアカンやろ？危機感無いなぁ〜！それとも襲われたかったん？女って、やっぱそうなんやろ？」
「ろ、ロボロさん！落ち着いて下さい。ちょ、部屋入らないで……」
「あぁ……可愛ええ。今日こそやらせてや。Aが俺の童貞貰って。あ、Aも処女やから俺も貰えるのか。運命とちゃう？俺の貞操は今日の日のために取って置かれたんや。可愛ええ服やね」
「っ、あ！UFO！」
「そんなんで騙されると思っとるんか、可愛ええなぁ。ホンマに可愛ええ。いい香りや。なぁ、チューしようや」
若干ロボロの方が身長が高いが、ほぼ同じ大きさだ。ロボロはAを抱き締めると、チュッとキスをした。
「っ、やぁだ、」
「女の嫌は、ええんやろ？」
「誤情報ですよ……！」
「照れんなや。いーっぱい可愛がったる」
「退けや、童貞」
「あ、ゾムさん！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1458人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かす(プロフ) - かこつです。楽しませていただきました。ありがとうございます (7月17日 19時) (
レス) @page48 id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
らあゆ(プロフ) - ありがとう……ありがとう……ほんまにありがとう…一気読み最高でした( ；∀；)夢主可愛すぎるだろ…ありがとう(*´；ェ；｀*) (2023年3月21日 8時) (レス) @page47 id: 61afbf51de (このIDを非表示/違反報告)
♪si?do☆(プロフ) - とっても面白かったです！また面白い作品書いてください！ (2023年1月6日 16時) (レス) id: 89c26ef77d (このIDを非表示/違反報告)
ヒル(プロフ) - 新しい番外編...？好き。夢主の平和ボケっぽいのがずっと抜けない感じ好き。もう、語彙力喪失。ありがとうございますほんとに番外編感謝します...！ (2022年12月21日 23時) (レス) @page43 id: e3196d1b3b (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 完結おめでとうございます！番外編が好きすぎる…。いつも更新されるたびにわくわくして読ませていただいておりました。本当に素敵な作品をありがとうございました！ (2022年12月16日 0時) (レス) @page41 id: 472937dc0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月23日 16時
