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「可愛いね、Aちゃん」
(ごめんなさい。ショッピさん、チーノさん。折角ご忠告して頂いたのに)
遠くを見つめるAは、見事に鬱先生に捕まった。トイレに行こうと、トントンの部屋を出たのがダメだった。鬱先生はAを見るなりすっ飛んできて、自室に連れ帰った。
「あ〜肌もちもち。抱き心地ありそうやな」
「嫌っ、離して下さい！」
「なんでそんな嫌がるん？ちょっと気持ちええことするだけやん」
「怒りますよ！」
「そっかぁ」
ヘラッと笑った鬱先生は抵抗するAの手をネクタイで縛り、転がす。鬱先生に背中を向けて倒れ込んだAは逃げようと身を捩る。
「逃げんなや」
「楽しそうやな、大先生」
「っ、ゾム！？」
窓を突き破って部屋に入ってきたゾムは、鬱先生を一瞥するとAを抱き上げた。乱れた衣服を見てAに自分のパーカーを着せてあげる。
「ええとこやったのに」
「こいつはお前の雌ちゃうからな」
「随分とご執心やけど、もしかして好きになってもうた？」
「お前みたいな屑とは違って、俺は一途やから。野良にも手ぇ出さんし」
そう言うとゾムは震えるAを抱き締め、鬱先生の部屋を出る。もう安全な場所は限られてきた。ゾムは彼女を人気の無い踊り場に下ろした。
「ゾム、さん。その、ありがとうございます」
「ええねんええねん。俺がAを守ったる。だから、怯えんで。許してや」
「っ、ごめんさい。まだ、怖くて」
「…そっか」
「っで、でも！ゾムさんが守ってくれるなら安心です！凄く強そうですもん。これからお願いしますね」
項垂れたゾムを励まそうと、Aはゾムの手を握って優しく微笑む。
「…ああ」
思わず天を仰いだゾムは、脳内に戦場の様子を思い浮かべて雑念を払い飛ばす。やはり、彼女は分かっていない。不用意に男に触れる事がどれだけ危険か。守らなくてはならない。そう感じたゾムは、ソっとAの手を振りほどいた。
「総統室が1番安全や。行こか」
「…はい」
ゾムに手を振りほどかれた事が少しショックだったA。嫌われてしまったのかもしれない。優しくしているのに、怯えているから。そんな嫌な想像が駆け巡る。
「おいで」
「あ、ごめんなさい。あの、ゾムさん。パーカーはいつお返しすればいいですか？」
「今度でええよ。俺いっぱい持っとるし。似合っとる」
「っふふ、ありがとうございます」
「っ!!!」
本当に彼女と居て襲わないなんてできるのか、不安になるゾムだった。
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かす(プロフ) - かこつです。楽しませていただきました。ありがとうございます (7月17日 19時) (
レス) @page48 id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
らあゆ(プロフ) - ありがとう……ありがとう……ほんまにありがとう…一気読み最高でした( ；∀；)夢主可愛すぎるだろ…ありがとう(*´；ェ；｀*) (2023年3月21日 8時) (レス) @page47 id: 61afbf51de (このIDを非表示/違反報告)
♪si?do☆(プロフ) - とっても面白かったです！また面白い作品書いてください！ (2023年1月6日 16時) (レス) id: 89c26ef77d (このIDを非表示/違反報告)
ヒル(プロフ) - 新しい番外編...？好き。夢主の平和ボケっぽいのがずっと抜けない感じ好き。もう、語彙力喪失。ありがとうございますほんとに番外編感謝します...！ (2022年12月21日 23時) (レス) @page43 id: e3196d1b3b (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 完結おめでとうございます！番外編が好きすぎる…。いつも更新されるたびにわくわくして読ませていただいておりました。本当に素敵な作品をありがとうございました！ (2022年12月16日 0時) (レス) @page41 id: 472937dc0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月23日 16時
