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2人の結婚式は、神前式。雅楽の音色が響く中進む。参進を経て、本殿へと向かう。厳かで格調高い雰囲気。白無垢に綿帽子をつけて、Aはトントンの隣を行く。
「Aさん綺麗やなぁ」
「ああ」
式も順調に進み、指輪交換も済んだ。トントンが待ち望んだ結婚式は、意外と呆気なく終わってしまったが、本人は大満足のようで、Aの肩に手を回して機嫌良く酒を飲んでいる。トイレのために、トントンが退出すると、ロボロが立ち上がった。
「A。結婚おめでとう」
「もう、Aじゃないんですけどね。ありがとうございます。天野先輩。……ロボロさんと言った方が、いいですかね」
Aが笑うほどにロボロの心を苦しめる。墓場まで持って行くつもりだった思いだが、ここでいっそ終わらせてしまおうと、ロボロは決意を決めた。
「トントンに見られたら殺されるかもな。Aのことに関しては見境ないし」
Aの髪を掬いとって、ロボロはキスを落とした。ザワッと幹部が騒ぐ。しかし、知っていた者は、それでいいと頷いた。トントンが戻ってきた頃には、もうロボロは自分の席に居た。
「そろそろお開きか」
「そうですね」
正式に嫁となったAは、我々組へと戻った。部屋の中で、2人は向かい合わせに座っていた。未だ興奮が収まっていない。
「可愛ええ。A。愛しとる。大好き。ホンマに好き」
「恥ずかしいですね。…でも、私も好きなのに変わりはないです」
「抱いてもええ？」
「……はい。子供はできないですけど」
「もう、その話すんなや。俺は、Aだけ居ればええ。Aしか見ん。…な？」
「世界一の旦那さんですね」
「Aも、世界一の『俺の』妻やで」
Aの手を絡めとって、布団に押し倒す。
あの日、Aが部屋を間違えたのは偶然か。運命か。
トントンが斬り殺すのを躊躇ったのは、本当に可哀想に思っただけだろうか。
一目惚れしたのは、トントンが先だったのか。
色々な奇跡が重なって、ここまで来れた。
二人の子は産まれない。これは変わらない事実だ。それでも、トントンはAを愛し続けるだろう。
Aは、一生自分を責めるだろう。
それでも、トントンと結婚したことは、後悔しない。
幸せだから。
我々組組長、トントンの寵妃はおかしい程に愛されて、依存される。それは、お互いに。
「奥方、おはようございます」
「Aに話しかけんなや殺すぞ」
「こら、トントンさん」
今日も、愛されて。
fin
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
